日本相撲協会は1日、大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は、在位11場所目となる照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が東に就いた。4場所連続休場中(全休は3場所連続)で、手術した膝の回復具合が気になるところだが、既に出場への意欲は示しており、出場すれば1年ぶり8度目の優勝を目指す土俵となる。なお一人横綱は番付上で10場所連続となった。

大関陣は、3場所連続の一人大関として貴景勝(26=常盤山)が西に就いた。昨年九州場所で優勝同点、今年初場所では連続12勝3敗で3度目の優勝を果たし、先場所は綱とりだったが、左膝内側半月板損傷で7日目から休場。綱とりから一転、昨年春場所以来6度目のカド番として迎えることになった。回復具合が気になるところだ。なお、先々場所から、照ノ富士が番付上で大関も兼務する東の「横綱大関」と表記されるため、貴景勝は3場所連続で西に回った。

今年初場所で、番付上では実に125年ぶりの1横綱1大関(前回は1898年春場所の横綱小錦、大関鳳凰)だったが、この状況は3場所連続で今場所も変わらない。大関以上が2人しかいないのも、30年ぶりだった先々場所(前回は93年初場所で横綱不在で大関が曙と小錦)から継続された。

関脇は、東が2場所連続(三役は5場所連続)となる霧馬山(27=陸奥)が就いた。小結だった先々場所は11勝4敗、新関脇の先場所は12勝3敗で初優勝を遂げており、今場所は大関とりの場所となる。昇進の目安となる数字には10勝で届くが、果たしてどうなるか。西の関脇は豊昇龍(23=立浪)が5場所連続の在位(三役は8場所連続)となった。先場所は三役で2度目の2ケタ勝利を挙げており、こちらは大関とりの足固めとしたいところだ。

関脇は4人で、東の序列2番目には大栄翔(29=追手風)が4場所ぶりに復帰した(三役は2場所連続)。先々場所は西前頭筆頭で10勝5敗、先場所は千秋楽を単独トップで迎えながら、霧馬山に本割、優勝決定戦と連敗し2度目の賜杯を逃した。それでも12勝を挙げており、優勝経験があることや三役経験も豊富であることから「3場所連続三役」ではないものの、好成績を収めれば気運によって大関昇進の声がかかるかもしれない。

もう1人は、新関脇の若元春(29=荒汐)。三役は3場所連続で9勝、11勝と力をつけてきた。荒汐部屋からの新関脇は、弟で昨年春場所の若隆景以来。福島県出身も若隆景以来、戦後6人目の輩出となった。なお、兄弟関脇は若ノ花&貴ノ花、逆鉾&寺尾、若ノ花&貴花田以来、史上4組目(しこ名は新関脇時のもの)となった。

小結は3人で、琴ノ若(25=佐渡ケ嶽)は新三役から3場所連続。7場所連続関脇で次期大関候補と期待された若隆景(28=荒汐)は、先場所13日目に右膝に重傷を負い小結に陥落した(三役は8場所連続)。復帰には半年以上は要するとされ長期離脱を余儀なくされそうだ。大関経験者の正代(31=時津風)は2場所ぶりの三役復帰だが、小結は17年春場所以来、約6年ぶりの在位となる。

大相撲夏場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。