大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)で大関昇進に挑む関脇の霧馬山(27=陸奥)が強い覚悟を示した。

1日、東京・両国国技館で会見し、「なかなかないチャンス。最後だと思っていきたい」と力を込めた。昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」まであと10勝に迫っている中で、「良い調子できている」。今後は師匠の陸奥親方(元大関霧島)と相談しながら、出稽古を重ねるなどして調整に励むという。

霧馬山の表情は明るかった。手渡された夏場所の番付表を眺め、「(大関まで)やっと近くにきたと思いました」とうれしそうに言った。小結だった初場所は11勝4敗とし、続く新関脇の春場所は12勝3敗を挙げ、さらに大栄翔との優勝決定戦を制して初優勝。「(先場所序盤は)4勝3敗からだったので、全然優勝を意識してなかった。1日一番と自分の相撲に集中していた」と振り返った。

積み重ねた稽古はうそをつかない。若隆景、若元春など実力者が集う荒汐部屋へ出稽古に足しげく通い、大きな自信を得た。そこで得た経験値が本場所での活躍につながった。今では「(本場所で)体の反応に任せられるようになった」と胸を張る。

兄弟子であり部屋付きの鶴竜親方(元横綱)からは「チャンスはそんなに来ない。最後だと思って、できることをやって」とハッパをかけられ、場所後の6月3日に控える同親方の引退相撲に花を添えたい気持ちは強い。霧馬山は「今場所決めたい。やるしかない」。強い思いを胸に、夏場所に向かう。【平山連】