東幕下5枚目の木竜皇(21=立浪)が寄り切りで西幕下4枚目の羽出山(24=玉ノ井)を破り、「自分の相撲を取れた」と喜んだ。
11日夜、部屋近くにある行きつけの銭湯を訪れた際に、心肺停止状態になった80代の男性を人命救助した。
「不安もあったが、やるしかなかった」と自然に体が動いた。約1年前に参加した地域の防災訓練の記憶を頼りに、浴槽で溺れていた男性を引き上げた。胸骨圧迫や人工呼吸を繰り返し、意識を取り戻させた。それでも、「人として当たり前のことをした。ほめられることではない」と謙遜。ともに入浴していた弟弟子の序二段の煌貴龍(19)も、迷うことなく救助に参加した。
救助した男性は、昨日も銭湯を訪れたようで、それを知った木竜皇は「また見かけたら声をかけたいですね」と笑った。目指す力士像は「強いだけじゃなくて優しいお相撲さんが憧れ」。その理想通りのとっさの行動で、尊い命を救った。
勇気ある行動がニュースになったことで、反響も大きかった。兄弟子の西前頭9枚目の明生(28)からも、「人を救ったらしいな。尊敬するよ。よく頑張ったな」と電話をもらったことをうれしそうに話した。
木竜皇は先代時津風親方(元幕内時津海)の長男で昨年の夏場所では、幕下優勝も果たした。目標である関取に向けて、充実したスタートを切った。

