大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)を、大関から関脇に転落して迎える貴景勝(28=常盤山)が27日、両国国技館で行われた力士会に参加し、7月の名古屋場所千秋楽以来、約1カ月ぶりに公の場に姿を見せた。今月の夏巡業は、かど番の名古屋場所で5勝10敗に終わった要因でもあった、頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアで全休。秋場所に向けた治療に専念していた。その秋場所は、10勝以上で大関に特例復帰できるだけに「いかに良い状態で場所に入ることができるか。全力を尽くすだけ」と力説。慢性的な首の痛みが完治することはないが、今できる最高の状態で初日に臨みたい考えだ。
この1カ月間は、パリオリンピック(五輪)に力をもらったという。「柔道とか、1対1で戦う競技が好き。元気をもらったし、自分もいい相撲を見せれば、誰かの活力になるのかもしれないと思った」。5年間守ってきた大関の座から転落したショックは、想像に難くない。それでも「オリンピックは4年に1度。相撲は悔しい思いをしても、1カ月半後に挽回できるチャンスがある」と、五輪では特に、悔しい思いをした選手を自分と照らし合わせて、気持ちを強く保ったという。
力士会の前には、仲の良い小結大栄翔と、満面の笑みを浮かべながら話す場面も見られた。力士会後は、いすに座って報道陣の取材に応じた。この日は日本相撲協会の健康診断があり、常盤山部屋全体として稽古は行わず、28日から再開し、29日には横綱審議委員会(横審)による稽古総見が行われる。落ち着き払った言動が、5年ぶりに関脇で迎える秋場所への覚悟を、随所でにじませていた。

