大関豊昇龍(25=立浪)が大逆転優勝で第74代横綱昇進を確実にした。
1差で追う展開で迎えた千秋楽。単独トップだった金峰山が敗れ、結びで琴桜との「大関対決」を制した豊昇龍が3敗で並んだ。優勝決定ともえ戦で豊昇龍が金峰山を寄り切り、続けて王鵬を寄り倒しての2連勝で23年名古屋場所以来、大関昇進後初の優勝を飾った。日本相撲協会は横綱昇進を諮る理事会の招集を決定。豊昇龍の横綱昇進が確実になった。横綱照ノ富士が引退した今場所、叔父の朝青龍と並ぶ角界最高位に就く。
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「1日三番」の死闘を勝ち上がり、豊昇龍が番付の頂点に上り詰める。単独トップだった金峰山が敗れて優勝決定戦が確実となった上で迎えた結びの一番。気合を顔中にみなぎらせた豊昇龍は、琴桜を圧倒しての寄り切りで優勝決定ともえ戦の「出場権」を得た。
「このチャンスは絶対に逃したくないと思って土俵に上がった」。優勝決定ともえ戦で最初に金峰山と当たり、寄り切った。息を整える時間もないまま、王鵬と対戦して力強い出足から寄り倒した。「はあ、疲れたよ」。本割から3連勝で引き寄せたのはどでかい結果。横綱昇進を事実上、確実にしたが「(横綱は)何も意識してなかった。大関で優勝なかったからね。大関として優勝したかった」と息をはずませた。
先場所、13勝1敗で迎えた千秋楽、琴桜との相星決戦に敗れた。「あんな調子いい場所はなかった。それで負けたからね。正直、今場所はその悔しさがあった。絶対にやり返す思いしかなかった」。力負けではなく、足を滑らせた“不注意”で大きな白星を逃した。その相撲が夢に出るほど悔しかった。「(琴桜に)死ぬほどやり返す」と誓い、それだけでなく優勝決定戦でも2番勝ってみせた。
優勝を決めた後は、思わず涙を浮かべた。「(うれし涙は)2度目だね。初優勝の時と。あの時も(優勝)決定戦だからね。それだけ今場所は、(優勝する)最後のチャンスと思って臨んだ。本当にうれしくて泣いた」と明かした。
無我夢中で走り抜いた。今場所中に横綱照ノ富士が引退した。「びっくりしたけどね。でもまあ、自分は自分と思って頑張りましたよ」。9日目で平幕を相手に3敗と優勝争いから脱落しかけた。その時に師匠の立浪親方(元小結旭豊)からかけられた「楽しんでやれ」の言葉を支えに10日目から優勝決定戦を含め、8連勝で賜杯を手にした。
場所後も忙しい。横綱土俵入りは「イメージなんてしてないよ」と言いつつ、叔父さんと同じ雲竜型が濃厚か。「(横綱は)自分が入門した時からの夢。近づけたかなと思う」。
第74代横綱豊昇龍。大看板と責任を背負い、浪速の春に向かう。【実藤健一】
◆豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)本名スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身。11歳からレスリングを始め、日体大柏高へ留学。叔父の元横綱朝青龍の誘いもあり、相撲に転向。高校卒業後、立浪部屋に入門した。18年初場所初土俵。19年九州場所新十両、20年秋場所新入幕。23年名古屋場所で初優勝を飾り、大関昇進を決めた。188センチ、148キロ。得意は右四つ、寄り、投げ。

