「鉄人」がまた一つ、偉大な記録を樹立した。関取衆最年長で西前頭9枚目の玉鷲(41=片男波)が、通算幕内出場回数を歴代1位に並ぶ1470回とした。この日は元大関正代に押し出され、初日から3連敗。大記録に花を添えることはできなかった。従来の記録は旭天鵬(現大島親方)が、41歳直前の15年秋場所まで築いたもので、4日目の獅司戦に出場すれば、11年ぶりに記録を更新する。初土俵からの通算連続出場は24年秋場所で歴代1位となって以降も継続中。歴代3番目に多い幕内在位99場所目の今場所も、衰え知らずで「鉄人」ぶりは健在だ。

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40歳の誕生日を迎える24年11月16日に合わせ、玉鷲は家族に1つのプレゼントを贈った。

趣味で特技の手芸を駆使。ミツバチや映画「となりのトトロ」の登場キャラクター「まっくろくろすけ」を模してデザインした玄関マットを、夫人と2人の愛息に向けて作製した。例年、九州場所中の誕生日に合わせ、夫人と愛息たちからプレゼントや手紙が届くが、節目の40歳は逆に自身が家族にプレゼントした。

「いつももらってばかりじゃ、ねぇ」。家族への感謝を形で示したくなった。そして、通算幕内出場回数を歴代1位に並ぶ1470回としたこの日、最近1つを作製、2つ目を作製している「3Dチョウチョ」の存在を明かした。長男が見つけたアゲハチョウの幼虫を育てたところ、見事に羽化した、思い出のチョウを再現した。

「(成虫になってから)普通は2週間ぐらいしか生きないらしいけど1カ月生きた。なついて、手にも止まるようになっていた」。“家族”の一員だったアゲハチョウを再現したのも、家族を喜ばせたい一心。生きがいが、長く現役を続けられる最大の要因なのだろう。【高田文太】

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