[ 2014年7月1日18時53分 ]

 W杯ブラジル大会の決勝トーナメント1回戦、ベルギー-米国が1日(日本時間2日午前5時)サルバドルで行われる。

 強豪国とは言い難い両者だが、今大会の“ダークホース”とも言われており、そのポテンシャルは非常に高い。果たして、8強に駒を進め、真のダークホースとなるのはどちらのチームか。

 アザールやコンパニーなど、各ポジションに欧州のビッグクラブで活躍するタレントを擁しているベルギーだが、ここまで前評判ほどの強さを見せているとは言い難い。それでも、H組を3戦全勝の首位で突破するなど、力はある。活躍が期待されたFWルカクとMFアザールの調子がいまひとつだが、FWオリジやMFメルテンスといった選手たちが、その穴を埋めるパフォーマンスを披露していることは心強い。決勝トーナメントでは、主軸の復調に期待がかかる。

 対するのは、ドイツ、ポルトガル、ガーナと同居したH組を2位で突破した米国。1次リーグではドイツに力負けしたものの、ガーナ戦では勝負強さを発揮。ポルトガルには効果的なカウンターで応戦し、あと一歩で勝利というところまで追い詰めた。ベルギーのように突出した個のタレントはいないが、各選手がハードワークを欠かさず、チームとして完成度は非常に高い。02年大会以来となる8強に進出する力は十分に秘めている。

 ★ベルギー優位

 過去の対戦成績は、ベルギーから見て4勝1敗。W杯での対戦は1930年に行われた第1回大会の1度だけで、その時は米国が3-0で勝利している。要するに、以降の対戦ではベルギーが全勝。約1年前に行われた国際親善試合も、ベルギーが4-2で勝っている。また、今大会の1次リーグで最も移動距離が短かったベルギーに対して、米国は最も移動距離が長かったチーム。加えてベルギーは最終戦で主力を温存しており、コンディション面ではベルギーに分がありそうだ。

 ◆ベルギー代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK

 クルトワ

 DF

 アルデルウェイレルト、バンビュイテン、コンパニー、フェルトンゲン

 MF

 ウィツェル、デブルイネ、フェライニ

 FW

 メルテンス、ルカク、アザール

 負傷者

 DFバンデンボレ(ひ骨骨折)、DFフェルマーレン(太もも)

 出場停止者

 MFデフール

 1次リーグの韓国戦でレッドカードを受けたデフールが出場停止。韓国戦で骨折したバンデンボレは起用できない。また、そけい部を痛めているコンパニーと、太ももを負傷中のフェルマーレンも出場が微妙なところ。もしコンパニーが欠場となれば、センターバックにはDFロンバルツが入るだろう。予想の難しい中盤には、フィジカルを重視してMFフェライニを配するのではないだろうか。

 ◆米国代表◆【4-1-4-1】

 予想スタメン

 GK

 ハワード

 DF

 ジョンソン、キャメロン、ビーズラー、ビーズリー

 MF

 ベドヤ、ジョーンズ、ベッカーマン、ブラッドリー、ズシ

 FW

 デンプシー

 負傷者:なし

 出場停止者:なし

 出場停止者はいない。負傷者に関しては、ガーナ戦で太もも裏を痛めたFWアルティドアが練習に復帰しており、今回の一戦には間に合う見込み。ただ、先発での出場はないだろう。過去2戦と同様に4-1-4-1を採用し、ポルトガル戦と同じメンバーを予想したが、アザールを警戒して右サイドバックにキャメロンを置く可能性も考えられる。

 ★注目選手

 MFエデン・アザール(ベルギー)

 今大会のスター候補生として大きな注目を集めていたが、ここまでは目立った活躍を見せることができていない。それでも、1次リーグのロシア戦では、得意とする左サイドからの仕掛けで好機を演出し、決勝点をアシストした。この形が増えてくれば、相手チームにとっては大きな脅威となる。米国にはジョンソンという攻撃力に秀でた右サイドバックがいるだけに、得意の仕掛けからジョンソンを自陣に釘付けにしたい。ベルギーがさらなる高みに到達できるかは、アザールの活躍にかかっていると言っても過言ではないだろう。

 DFファビアン・ジョンソン(米国)

 MF登録ながら、右サイドバックとして起用されているジョンソンに注目したい。持ち味は、当然のことながら攻撃力だ。右サイドの高い位置に進出した際には、チームに様々な選択肢を与えることができる。また、対面するアザールを抑えられるかも、勝敗を分ける重要なポイントになるだろう。しかし、ポルトガル戦ではクリスティアノ・ロナルド相手に粘り強い対応を見せ、持ち味の攻撃力を遺憾なく発揮していた。今回のベルギー戦でも、積極的な攻め上がりを見せてアザールとの攻防で優位に立ちたい。【超ワールドサッカー】