[ 2014年7月14日0時44分 ]

 W杯ブラジル大会は13日(日本時間14日午前4時)、決勝のドイツ-アルゼンチン戦が、リオデジャネイロで行われる。

 6大会ぶり4度目の優勝を目指すドイツと、7大会ぶり3度目の優勝を目指すアルゼンチンが激突。

 準決勝で開催国ブラジルと対戦したドイツは、攻守の要であるネイマールとチアゴシウバ不在の相手に、7-1の歴史的大勝。3大会ぶりの決勝進出を果たした。立ち上がりこそ前がかるブラジルに押し込まれたが、前半11分、CKからFWミュラーが先制ゴールを挙げると、その後は厚みのあるカウンター攻撃を武器に、同23分から29分の間に怒とうの4ゴールを奪い、前半のうちに勝負を決めてしまった。

 一方、アルゼンチンは、にらみ合いが続いたオランダとの準決勝をPK戦の末に制し、6大会ぶりに決勝進出を果たした。ロッベンやファンペルシーといったオランダの強力攻撃陣を、マスケラーノを軸とした守備陣が封じ込めると、無得点で迎えたPK戦ではGKロメロが2本セーブし、辛くも勝ち上がった。ただ、コンディション面ではドイツに比べて休養日が1日少ない上、延長戦も戦ったことから厳しい状況だ。

 ◆3大会連続で激突!

 1986、90大会決勝カード

 両国は過去20試合対戦し、W杯では7試合を戦っている。その勝敗の内訳は、ドイツが4勝2分け1敗と大きく勝ち越している。両国は2006年大会から3大会連続での激突となり、ドイツが2連勝中。決勝で戦った1986年メキシコ大会はアルゼンチンが、1990年イタリア大会はドイツが勝利し、それぞれW杯を制覇した。

 ◆ドイツ代表◆【4-1-4-1】

 予想スタメン

 GK

 ノイアー

 DF

 ラーム、ボアテング、フンメルス、ヘベデス

 MF

 ミュラー、ケディラ、シュバインシュタイガー、クロース、エジル

 FW

 クローゼ

 

 負傷者

 DFムスタフィ(ハムストリング)

 出場停止者

 なし

 ブラジル戦で新たに負傷した選手はいない。出場停止者もなく、クローゼをセンターフォワードに据え、ラームを右サイドバックに置くブラジル戦同様の布陣となるだろう。

 ◆アルゼンチン代表◆【4-4-1-1】

 予想スタメン

 GK

 ロメロ

 DF

 サバレタ、デミチェリス、ガライ、ロホ

 MF

 ペレス、ビリア、マスケラーノ、ラベッシ

 FW

 イグアイン、メッシ

 負傷者

 MFディマリア(太もも)

 出場停止者

 なし

 アルゼンチンにも新たな負傷者はいない。ベルギー戦で太ももを痛めたディマリアは練習に復帰したが、出場は難しいとみられる。また、オランダ戦で3試合ぶりに復帰したアグエロが先発する可能性はあるが、守備のバランスを考えればオランダ戦同様の4-4-1-1の布陣になるはずだ。

 ★注目選手

 ◆MFトーマス・ミュラー(ドイツ)

 今大会ここまで5ゴールを挙げているミュラーに注目だ。ここ2試合はクローゼがセンターフォワードの位置に入っていることから、本職の右サイドでプレーしている。ブラジル戦ではその効果が発揮され、中央やサイドから斜めに切り込むプレーからクローゼの得点をお膳立てするなど、1ゴール2アシストの活躍を見せた。アルゼンチンが自陣に引いてくることが予想されるなか、ミュラーが右サイドからの斜めの動きで相手守備陣を混乱させられれば、決勝トーナメントに入って以降無失点を続ける堅守アルゼンチンからゴールを奪えるだろう。

 ◆FWリオネル・メッシ(アルゼンチン)

 一方、アルゼンチンの注目選手は、今大会4ゴールを挙げているメッシで決まりだ。オランダ戦ではデヨングの徹底マークに遭い、スペースを消されて仕事ができなかった。しかし、攻守のバランスに優れるドイツはオランダほど守備に徹してくることはないだろう。さらにアンカーのシュバインシュタイガーの両脇にはスペースが広がっているため、カウンター時にメッシがそのエリアをうまく突ければ、アルゼンチンの勝機が高まるはずだ。クラブレベルにおいて獲得可能な全てのタイトルを手にしているメッシだが、母国の英雄マラドーナ氏が成し遂げたW杯優勝という偉業を、自身も達成できるだろうか。【超ワールドサッカー】