「ジュラシック・パーク」から29年、シリーズ6作目となる「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」が29日に公開される。
第1作のリアルな恐竜再現の驚きは今でも鮮明に覚えている。「-ワールド」(15年)に切り替わってからもジャイロスフィア(透明の球体の乗り物)やハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスの登場など、このシリーズには毎度新鮮な見どころが用意されてきた。
今回は恐竜のサイズ感になれた観客にとっても新種の恐怖が用意され、過去作へのオマージュも色濃い。
ジュラシック・ワールドのあったイスラ・ヌブラル島が噴火で壊滅してから4年。恐竜たちは世界中に解き放たれ、人類は恐竜との共存を模索している。
恐竜の保護活動をしている「-ワールド」のメインキャラクター、オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、ジュラシック・パークの創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローン少女メイジ(イザベラ・サーモン)と暮らしている。シリーズ6作の「年表」を意識させる幕開けだ。
オーウェンはその誕生から縁のあるヴェロキラプトルのブルーと再会するが、その子どものベータと、実娘のように思っているメイジを誘拐され、背後の「巨大組織」との対決を余儀なくされる。
恐竜との共生を目指す人たちと金もうけをたくらむ組織との対決という図式が今回も踏襲されている。
組織によって殺人マシンに仕立てられた恐竜とバイクに乗ったオーウェンの市中のチェイスシーンは、マルタ島の石造りの街並みが効いて構図的にも新味があり、一段とアップしたスピード感に引き込まれる。
前作に再登場した数学者マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)に加え、古植物学者サトラー(ローラ・ダーン)と古生物学者グラント(サム・ニール)も参戦し、第1作のオリジナルトリオが「別ルート」からこの組織の陰謀に迫るぜいたくな二重構造でストーリーは展開する。
トリオ再会のきっかけとなるのが、米南西部の穀倉地帯に壊滅的な打撃を与える巨大イナゴの大量発生で、この裏にも食糧供給を支配しようという組織の影があるというわけだ。
恐竜の成長遺伝子を組み込んだというこのイナゴは60~80センチくらい。大きめのサケサイズといったらいいだろうか。リアルな個体を見るだけで鳥肌が立つが、これが大量に飛来したときの破壊力は半端ない。このシリーズならではのアニマトロニクスとCGによる造形で、個人的にはこの作品最大の恐怖となった。
今回も恐竜の主役はほぼ人間サイズのヴェロキラプトルだが、最強の肉食恐竜ギガノトサウルスや爪がカマのようなテリジノサウルスら異形の面々が次々に姿を現す。そして、シリーズの象徴ともいえるT-レックスにもちゃんと見せ場が用意されている。
前作ではスピルバーグとともに総指揮に回った「-ワールド」のコリン・トレボロウが再びメガホンを取り、隙のない演出で「最終章」を印象づけた。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)




