<2021年「急上昇!」:まるりとりゅうが>
MaRuRi(24)とRyuga(23)の男女デュオ「まるりとりゅうが」が、6月30日に初のフルアルバム「まるりとりゅうが」を発売する。SNSを通じて結成され、同世代に共感を呼ぶ恋愛ソングが話題だ。継続が難しいとも言われる男女混声によるデュオが、名刺代わりのフルアルバムでさらなる上昇カーブを描く。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。【聞き手=大友陽平】
-初のフルアルバムでは、18年のデビュー直後に配信チャートで1位を獲得した「気まぐれな時雨」や失恋ソング「幸せになって」をはじめ、新曲5曲を詰め込んだ
Ryuga タイトルの通り「まるりとりゅうが」の音楽を余すことなく表現しました。結成して3年がたって、当時の僕たちの声だったり、歴史も感じられるようなアルバムです。自信作と胸を張って言えますし、1曲1曲がリード曲です。
MaRuRi 恋愛ソングが多いんですけど、恋愛の中でも失恋だったり、片思いだったり、応援ソングだったり、いろいろ入っています。新曲5曲も含めて自信作です。
-特に思い入れのある曲は?
MaRuRi 「らしく。」です。ひときわ明るい楽曲なんですけど、個人的には1月にへんとう腺の手術をして、治ってからは前の感覚と違ってうまく歌えなかった時に、この曲の歌詞が自分の中に刺さって、元の声にも戻ってきたという感覚を見つけることができて、自分も救われた曲です。
Ryuga 特に「シール」を聞いていただけたらと思います。ちょうど僕がシールをはがそうとした時になかなかはがれなくて、こすってきれいにしようと思ったらより広がって…。これは失恋に似ているなとパッと思って作った楽曲です。同じ経験をしていなくても、何だか理解できたり、想像できるような部分を表現できました。
-作詞作曲はRyugaが行っている。歌詞は実体験が多い?
Ryuga 実体験とか、人の相談に乗ることが多いんですけど、その子たちの恋愛観を聞く中で、客観的に思ったこととかをつづっています。
-女性から見ても共感できる部分は多い?
MaRuRi むしろ女性が主人公の曲を作る時は「私より女性っぽい性格なのかな?」というくらい、女性の繊細な気持ちを描いています。「幸せになって」を初めて聞いた時も、なぜか涙が出てきて…。歌詞の中に「幸せになって」というワードが4回出てくるんですけど、その1回1回が全然違う感情なんです。
Ryuga 「幸せになって」は、友達の女の子から相談を受けていて、好意を寄せる相手の男性も友達で…。両方の情報を知っている中で、こっちはこっちで思わせぶりな行動をして…とか、こっちから好きにさせたのに、もうあっちは違うところにいっちゃったみたいな…。その女の子に向けて作った曲です。
-音楽を始めたきっかけは?
Ryuga 母方の家系がみんな歌が好きで、身近にありました。中3の9月からニューヨークに語学留学をしたんですけど、親戚がアコースティックギターをくれて、それを持っていって向こうで弾き語りを始めました。友達からも「いいじゃん!」って言われながら、歌手になるといっても卒業するまでの期間がもったいないなと思って、SNSで発信していました。基本はフォロワーを増やすために、ヒット曲ばかりカバーしていたんですけど(笑い)。ふと「オリジナル曲はないんですか?」みたいなコメントがあって、作ってみたのが「好きなのに」という曲で、この曲をMaRuRiがカバーしてくれたんです。
MaRuRi 私は、地域の合唱団に所属していました。小さい頃に「白雪姫」の映像が好きで、よく歌っていたのを見た父にオーディションに連れられてから、約12年間やっていました。ずっとバスガイドになろうと思っていたんですけど、高3の秋に文化祭のステージで歌う機会があって、「これだ!」って思って。ボーカルコースがある学校に行きました。その後東京に出てきた時のライブでRyuga君がたまたま出ていて、初めて存在を知りました。Ryuga君は人気者で、バズっていて、フォロワーも多いので仲良くなりたいなと思ってカバーしました(笑い)
Ryuga まさか、その用途が8~9割だったという(笑い)。そこでSNSで連絡をとって、僕からしたら、こんなに歌もうまいのに、どうしてもっと広がらないんだろうって思っていたんです。そこから「MaRuRiをもっと広げたい!」と、SNSのアドバイスをしていました。そこから2人でインスタライブをするようになって、だんだんデュオになっていった感じです。
-男女デュオは数多く存在するが、コラボなどの企画以外でともに歌う男女デュオはめずらしい
MaRuRi 男性と女性だからこそせりふのように表現ができます。
Ryuga 難しいからやりたがらない人が多いというのは、結成当初から言われていました。でも声の相性が良かったので、やれるポテンシャルはあると思ってスタートしました。最初はやっぱり難しい部分もあったんですけど、自分たちなりに模索しながら曲を出してきて、「まるりとりゅうが」のあるべき姿みたいなのが分かったタイミングで、今回のフルアルバムを出せました。単純に、男女2人だと目をひくというか、分かりやすいと思いますし、頭にも残りやすいと思います。時にぶつかり合いながらクリアしてきたので、あとは良い曲を作って、歌って、広げていくだけだと思っています。
-今後の目標は
Ryuga 人気や実績というのは目を背けられない部分で、やりたいことが頭の中であっても、それを実現できるためにはちゃんとそこが伴わないといけないと思います。そういった意味でも今回のフルアルバムにかけています。全力を注いでいきたいですし、これからも誰かの心に寄り添えるような、“相談相手のような存在”でありたいと思っています。
MaRuRi 自分たちが納得する楽曲をこれからも出し続けることが大事だと思いますし、その中でヒットしたらうれしいですし、老若男女の方が知っている曲を作りたいです。ファンの皆さんや、支えてくれる人たちへの恩返しになるのはNHK紅白歌合戦とか、そういう舞台だと思うので、いつか立ってみたいです。
◆まるりとりゅうが MaRuRi(まるり=1997年3月4日、福岡県生まれ)と、Ryuga(りゅうが=1997年8月8日、北海道生まれ)による本格派男女デュオ。SNSを通じて知り合い、インスタグラムでの「インスタライブ」が話題となり、18年4月に結成し始動。同世代を中心に共感が広がる恋愛ソングが得意で、19年には「レコチョク上半期サブスクランキング」で新人アーティストランキング1位に。放送中のアニメ「恋と呼ぶには気持ち悪い」エンディング曲「リナリア」などタイアップも多数。