TOKIOのメンバーだった山口達也容疑者が酒気帯び運転で逮捕され、アルコール依存症の可能性が指摘されていますが、ストレスの多い芸能界では日本のみならず海外でもアルコール依存症を患う人は少なくありません。

ヘンリー王子もかつてアルコール依存症だったと報じられたこともありますが、ハリウッドでもアルコール依存症を患ったことのあるスターはたくさんいます。一度はアルコールに溺れながらも克服し、自らの依存症について赤裸々に告白することも珍しくありません。そんなハリウッドスターたちをまとめてみました。

●ブラッド・ピット

酔っぱらって長男マドックス君に暴力を振るったことが元妻で女優のアンジェリーナ・ジョリーとの離婚原因になったのではないかと言われているブラッド・ピットは昨年、「アルコールは自分自身から逃れるために必要だった」と自らの依存症について告白しています。

アルコール依存症を自覚している人たちの集まり「アルコホーリクス・アノニマス(AA)」にも参加したというピットは、「依存症の過去と向き合い、認めることで克服した」と語り、自らの過ちを受け入れることで前に進むことができたと話しています。

●ダニエル・ラドクリフ

「ハリー・ポッター」シリーズで一躍有名になったダニエル・ラドクリフは、10代で名声を手に入れたことと引き換えにアルコール依存症になったと言われています。

子役として注目を集め、巨万の富を得たラドクリフは、常に人に見られているストレスや「ハリー・ポッター」シリーズ終了への恐怖心などから逃れるために、18歳でアルコール依存症になったことを告白。「もしバーで自分が酔っ払っていたら、単なる酔っ払いの男じゃなくて、ハリー・ポッターが酔っぱらっていると周りの人は見ている。だからそれを無視するために、さらに酔っぱらう必要があった」と当時の荒れた生活を明かしています。その後、禁酒を決断するものの3年後に依存症を再発。しかし、2010年からは再び断酒して現在はクリーンな生活を送っているといわれています。

●ベン・アフレック

今年3月に公開された「ザ・ウェイ・バック」でアルコール依存症の元バスケットボール選手を演じたベン・アフレックは、自身も過去に3度に渡ってアルコール依存症の治療のためにリハビリ施設に入所したことがあります。

ジェニファー・ガーナーとの離婚原因はアルコールとギャンブル依存症だったと伝えられていますが、離婚する直前の18年夏には、40日間リハビリ施設に入所して治療を受けています。退所後は仕事復帰を果たし、再びガーナーとの間の3人の子供たちとも過ごせるようになったアフレックでしたが、断酒はなかなか難しいようで、1年後には再び飲酒して千鳥足で歩く姿がパパラッチされました。「ちょっとした過ちだった」と語り、依存症の治療の厳しさも浮き彫りになりました。

ブラッドリー・クーパー(18年12月撮影)
ブラッドリー・クーパー(18年12月撮影)

●ブラッドリー・クーパー

レディ・ガガと共演してアカデミー賞作品賞にノミネートされた「アリー/スター誕生」(18年)で監督デビューを果たしているブラッドリー・クーパーも、かつてアルコール依存症を患っていたことがあります。

酒に酔った勢いでわざとコンクリートの床に頭を叩きつけて流血騒ぎを起こしたことがきっかけで、「このままでは人生がだめになる」と恐怖を感じて断酒したと明かしています。29歳でアルコール断ちしたクーパーは、ピットを依存症から立ち直らせることにも一役買ったことが知られています。

●ザック・エフロン

「ハイスクールミュージカル」(2006年)でブレイクしてスターの仲間入りを果たしたザック・エフロンも、世間の注目を浴びることから逃れるためにアルコール依存症に陥った一人。一時はアルコールだけでなく、薬物にも手を出して仕事にも影響を及ぼしたことがあったエフロンですが、13年にリハビリ施設に入所して治療を受けてからは断酒を続けています。

●ジョニー・デップ

17年に離婚したアンバー・ハードと家庭内暴力(DV)を巡って現在も泥沼の裁判を続けているジョニー・デップは、「コカインとアルコールでハイになって暴力を受けた」と裁判で暴露されています。14年11月に行われたハリウッド・フィムル・アワードの授賞式では足元がフラフラの酩酊状態で登壇し、呂律が回らないスピーチで醜態をさらして大ニュースになったこともあり、かねてからアルコール依存症の疑いが持たれていました。

ハードは「結婚していた15カ月間しらふだったことはほとんどなかった」などとデップの依存ぶりを告白していますが、本人はハードの主張を否定しており、「名誉棄損」で真っ向から争っています。

●メル・ギブソン

「ブレイブハート」(95年)でアカデミー賞監督賞を受賞したメル・ギブソンは、酩酊状態で06年に飲酒運転で逮捕された際に、警察官に対して反ユダヤ的差別発言を吐いたことが報じられています。アルコール依存症の更生プログラムへの出席を裁判所から命じられましたが、この一件でハリウッドから完全に干され、自己資金で映画製作をすることになるなど大きな代償を払うことになったといわれています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)