今年7月からストライキを行っていた全米映画俳優組合が、11月8日に制作者側と暫定合意に達したことで、4カ月近くに及んだストもようやく終了の運びとなりました。同組合がストを行ったのは43年ぶりで、一時は全米脚本家組合とのWストライキとなり、映画やテレビ番組の制作がストップし、多くの作品が公開延期を余儀なくされています。
このままでは来夏に大作を公開することが難しく、今年の賞レースにも影響がでるギリギリのタイミングでスト終結となりましたが、合意を受けて撮影が中断されていた作品もさっそく再始動することが伝えられています。
ストの影響を受けていた作品と、今後の動向についてリポートします。
■「デューン 砂の惑星PART2」
「DUNE/デューン 砂の惑星」(21年)の続編「デューン 砂の惑星PART2」は、スト入り前に撮影を終えていたものの主演のティモシー・シャラメやゼンデイヤらキャスト陣が映画を宣伝するためのインタビューを受けることができないため、11月3日の公開日が来年3月に延期されています。期待された今年の賞レースに絡むことはできませんが、春には盛大なお披露目会が行われることでしょう。
■「デッドプール3」
ライアン・レイノルズ主演でマーベルコミックを映画化した「デッドプール」シリーズ第3弾で、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画としてシリーズ史上初めて制作される「デッドプール3」は、近日中に撮影が再開されると報じられています。スト入り時点でおよそ半分が撮影済みだったとされる同作は、来年5月公開には間に合わないと踏み、2カ月半ほど押して7月26日の公開が決まっています。レイノルズは、スト終結を受けてデッドプールの衣装を着た犬の写真と共に「ドッグプールは窮地を救ったのか? グレムリン地獄ではチャンスはない。しかし、現在ディズニーのぬいぐるみ商品部門に悪夢を引き起こしている」とX(旧ツイッター)に投稿。新作に新しいキャラクターが加わることを示唆しています。
■「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART TWO」
今夏公開された前作「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」では、直前にスト入りしたことで来日が急きょ中止となったトム・クルーズ。同作の宣伝活動を終えた後は、続編「PART TWO」の撮影を再開させる予定でしたが、そのまま撮影現場に戻ることができなくなっていました。撮影中断の影響で当初の来年6月28日公開が、2025年5月に大幅延期されることが発表され、待望の続編公開までさらに1年待つ必要があります。
■「グラディエーター2」
01年に作品賞を含むアカデミー賞5部門に輝いた「グラディエーター」の続編も、3分の2ほど撮り終えたところで撮影がストップしていました。メガホンを取るリドリー・スコット監督は、スト中に主人公がヒヒの群れと戦うシーンを含む約90分の作品の編集作業を行ったことを明かしていますが、撮影再開のメドについては現時点で分かっていません。オンラインメディアのデッドラインは、新たにキャスティングされた売れっ子のペドロ・パスカルにとって同作が最優先事項だと伝えており、来年11月22日公開に向けてまもなく撮影が再開されるものとみられています。
■「ウィキッド」
人気のミュージカル「ウィキッド」を2部作として映画化した「ウィキッド」は、撮影終了まであと10日というタイミングでスト入りしたことが伝えられています。撮影再開時期は不明ですが、ジョン・M・チュー監督は「仕事に戻るのが楽しみ」とSNSに投稿しており、こちらも近く再開されるものとみられています。来年11月27日にパート1、25年クリスマスにパート2が公開される予定で、これら公開日への影響はないと伝えられています。
■「ヴェノム3」
ソニー・ピクチャーズが制作するマーベル映画「ヴェノム」シリーズ第3弾は、6月下旬にスペインで撮影がスタートしたものの翌月にスト入りしたことを受けて撮影が中断。当初の24年夏公開を同年11月に延期することが発表されています。トム・ハーディが、スパイダーマンの宿敵として知られるダークヒーロー「ヴェノム」を演じる本作は、年内にも撮影が再開される見通しだとされています。
■「ビートルジュース2」
ティム・バートン監督がメガホンを取った1988年公開の「ビートルジュース」の続編は、わずか1日半の撮影を残して中断を余儀なくされていました。マイケル・キートン、ウィノナ・ライダーらオリジナルキャストが再集結し、新たにドラマ「ウェンズデー」のジェナ・オルテガが加わった同作は、予定通り来年9月の公開に向けて残りシーンの撮影が行われる見通しです。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)







