スニーカー狙いの路上強盗まで発生した「エアマックス95」の大ブームを目の当たりにしているので、ナイキには確固たるトップブランドのイメージがある。

が、80年代には業績不振にあえいでいたそうで、ジャンプアップのきっかけは伝説のスター選手の名を冠した「エア・ジョーダン」の大ヒットだという。立役者となった同社幹部ソニー・ヴァッカロはいかにしてNBAデビュー前のマイケル・ジョーダンに目をつけ、この新人選手に社運を預けるに至ったのか。

この企業再生実話がまるで映画のようにドラマチックなこともあって、マット・デイモンとベン・アフレックというビッグネームが製作に名を連ね、デイモンがヴァッカロ役で主演、ナイキCEO役のアフレックは監督も兼ねている。

ヴァッカロが、息子の天才を信じて疑わないジョーダンの母(ビオラ・デイビス)の信頼を得ていく過程が見どころで、バスケットボールへの情熱以外はがさつな人間くさいところをデイモンがリアルに演じている。アフレック監督は、ライバル社のコンバースやアディダスの社風もほどよく織り込み、企業モノの興趣を添えている。【相原斎】

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