万博で再び、すしが回ります。
1970年(昭45)年大阪万博で注目を浴びた外食産業の1つが「回転ずし」でした。元禄産業(大阪府東大阪市)が大阪・布施(現東大阪市)に開業した「旋回式食事台」を大阪万博に出店。史上初の「回転ずし」は連日、人々が押しかけ、すし詰め状態でした。
元禄産業の白石博志会長は、かつて日刊スポーツの取材にこう振り返りました。
「売上金がレジに入りきらなかった」
いまや世界に広がる回転ずしですが、そのルーツは、白石会長の父で、元禄産業の創業者、故義明さんがビール工場を見学したとき、ベルトコンベヤーの上をビール瓶が運ばれていく光景をみて「これや!」でひらめきでした。「人がやらないことをやらなあかん」が口癖だった故義明さん。地元・東大阪にある街工場の鉄工所の知り合いにもバックアップを受け、だれも考えなかった回転ずしのアイデアを実現し、世間の常識を打ち破りました。
2025年大阪・関西万博の会場には、くら寿司、スシローの2大回転ずしが出店します。
くら寿司は「回転ベルトは、世界をひとつに。」をコンセプトに食に関わる新たな技術・文化の体験を目的に、世界最長の回転ベルト(135メートル)、338席を設置。すしはもちろん、アフリカのカメルーンで日常的に食されているサバの炭火焼き料理「マケロ」や、中米のドミニカ共和国の魚料理「ペスカド・コン・ココ」など、参加70カ国の料理が回転ベルトを回ります。
同社の岡本浩之取締役は「サプライズと感動を伝えることができる店にしたい」と意気込みます。
昨年12月に行われたくら寿司の万博特別メニューの記者会見に出席したカメルーンのピエール・ゼンゲ大使は「カメルーンでよく食ベられているサバを使ったカメルーン料理とすしを組み合わせる、このプロジェクトに参画できるのが印象的だ」と語り、カメルーンから訪れる人々にも勧めたいと話しました。
ドミニカ共和国の高田ロバート大使は「料理を通じた交流は、日本と中南米カリブ諸国の橋渡しとなる」と強調し、「くら寿司を訪れる人はすごい体験をすることになるでしょう」と期待を寄せました。
大阪万博に旋回食事台を設置した「回転ずし」がお目見えしてから半世紀以上の時を経て、再び、すしが回ります。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)








