「よしもと漫才リーグ」の存在をご存じだろうか? もとは東京で始まった漫才コンビよる団体戦だが、今秋ついに大阪でも始まった。
簡単にルールを説明すれば、異なるチームから選ばれた漫才コンビAとBが互いに舞台で漫才を披露。その場で観客が「どっちがおもしろいか」を投票し、勝ち負けを決める。毎回5組のコンビ(またはトリオ)による対戦が繰り広げられ、勝ち越したチームが勝ち点をゲット。4チームの中で1位を決める。さらに大阪・東京でそれぞれトップを取ったチームが、最終決戦で東西NO・1を決める。
大阪の4チームは、ツートライブ、黒帯、ダブルヒガシ、例えば炎がキャプテンを務め、ドラフト会議形式で自分たちのチームに欲しいメンバーを指名した。カベポスター、フースーヤ、豪快キャプテンら、よしもと漫才劇場の人気者もいれば、生姜猫、銀鬼といったフレッシュな若手も入っている。「ベテラン枠」としてスーパーマラドーナやモンスターエンジンの名前も。
要するに大阪の若手漫才師によるオールスター戦。にぎやかで華やかで、なおかつバチバチ火花を散らす真剣勝負だから面白い。競馬で例えれば、有馬記念のようなイメージか。
先日、大阪・森ノ宮よしもと漫才劇場で行われた対戦カード。丸亀じゃんごVS翠星チークダンス、空前メテオVS例えば炎、といった激突が見られた。ふだんの寄席では勝ち負けは関係ないし、M-1グランプリとは違って観客一人一人のジャッジで勝敗が決まる。演者も気合が入るのだろう。記者の周囲にいたファンはずっと大きな笑い声をあげていた。4分というネタ時間をオーバーし、減点された芸歴3年目の銀鬼はマジで悔しがっていた。
チーム内での団結や「あいつには負けられない!」といった対抗心。漫才の団体戦は、予想以上に楽しく面白い。
翠星チークダンスの木佐はX(旧ツイッター)に「漫才リーグ終わり、いつも落ち込んで劇場居てしまうんですが、それを見透かしてみんなが誘ってくれた! いい職場!」と書き込み、同じチームの例えば炎・タキノルイ、釈迦虎・岡本峻、対戦相手だった空前メテオ・茶屋との反省会の写真をアップした。
同じ日、チームは勝利したが、かつてM-1決勝で披露したネタで個人戦では負けたスーパーマラドーナの武智は「勝ったけど、負けた。悔しい。新ネタ作ろ」とXに思いをぶつけた。
闘いはまだ中盤に入ったところで、これから終盤にかけて優勝争いはより激しくなる。さらに、大阪代表チームが東京代表チームによる「日本一決定戦」にも期待が高まる。漫才リーグは、お笑いに新しい形を誕生させた。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




