11年の東宝シンデレラオーディションで姉妹そろって選ばれた女優上白石萌音(19)上白石萌歌(17)が、映画「羊と鋼の森」(橋本光二郎監督、来年6月公開)で初共演することが22日、分かった。ピアノが物語の軸にある作品で、2人はピアニスト姉妹の和音(かずね)と由仁(ゆに)を演じた。

 これまで、東日本大震災の復興支援を目的にしたメッセージフィルムに2人で登場したことはあるが、芝居をし合う共演は初。2人で台本の読み合わせをするなどして、撮影に臨んだという。

 萌音は「現場で、妹に『おはようございます』と言うのがおもしろく新鮮でした。リラックスして役に入れましたし、芝居の上でも遠慮することもありませんでした」、萌歌も「姉と初めて一緒にお芝居をしました。お互いに意見を出し合ったり、有意義な台本の読み合わせができました」と話した。

 ピアノ連弾場面が見どころだ。幼稚園から小学1年までピアノ経験がある萌音と、同作のために特訓した萌歌。息を合わせつつ、個性をぶつけ合った。

 互いに映画、ドラマ、舞台などで活躍するプロ同士。劇中の姉妹にしっかりと自分たちを反映させた。妹にジェラシーを感じる姿に共感したと明かす萌音は「私も妹の心の強さ、ポジティブさをうらやましく思う時があったので、役とつながりながら演じました。お互い高め合える2人は『理想の姉妹だね!』と妹と話しています」。萌歌も同じように「姉と自分のピアノを比較したり、意識したりする部分には、実際に共感するものがありました」とした。

 原作は、昨年、本屋大賞に選ばれた宮下奈都氏の同名小説。山崎賢人演じるピアノ調律師として生きる青年の成長物語。師匠を三浦友和が演じ、北海道旭川市を中心に撮影された。

 ◆上白石萌音(かみしらいし・もね)1998年(平10)1月27日、鹿児島県生まれ。11年「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞。同年、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」でデビュー。14年、映画「舞妓はレディ」で映画初主演。昨年は映画「君の名は。」「ちはやふる」などに出演。ドラマはTBS系「陸王」(日曜午後9時)に出演中。昨年、歌手デビュー、今年オリジナルアルバム発売。152センチ。

 ◆上白石萌歌(かみしらいし・もか)2000年(平12)2月28日、鹿児島県生まれ。11年「東宝シンデレラ」オーディションで史上最年少グランプリ。12年、WOWOWドラマ「分身」で女優デビュー。昨年ミュージカル「赤毛のアン」で主演、今年もミュージカル「魔女の宅急便」に主演するなど活躍。来年は舞台「続・時をかける少女」が控える。CM「キリン 午後の紅茶」シリーズの歌唱も話題に。161センチ。