俳優の鈴木亮平(34)が、出世作となった2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の放送前に抱えていた不安を明かした。

 鈴木は12日放送のNHK「4時も!シブ5時」に出演。7日に初回放送を迎えた大河ドラマ「西郷どん」で主人公の西郷隆盛を演じるなど、今では人気と実力を兼ね備えた俳優だが、ブレークのきっかけとなった「花子とアン」に出演したのが31歳のとき。俳優としては遅咲きとされるが、その下積み時代が現在の俳優業に活きている。「20代のときに主役をやってきた人と違って、逆に言うといろんな主役の人たちを下から見てきてるんですよね。脇役をやっている自分が、『主役の人にこういうことをされてうれしかったな』とか、『こういう主役はステキだな』という知識や経験、引き出しだけはたくさん持っている自信はあるので、いろんな人を見て勉強できたことは良かった」と語った。

 しかし下積みが長かったことで、「花子とアン」出演時には自信をなくしていたという。「あのときほど不安でしかたなかったときはないです。いわゆる“いい男”というか、優しくて包み込むような役はやったことがなくて、(物語の)中盤で僕が出てくるじゃないですか。そうすると『え? お前かよ』って世の中から言われるんじゃないかっていう不安がすごくあった。放送される前に。これでいいんだろうかっていう気持ちで、人生で一番、意味もなく落ち込んでいました」と当時を振り返った。

 放送前に自身の演技をチェックしては「ダメだ、全然ダメだ。これが世の中に出たら俺はおしまいだ」などと思っていたという。「打たれ弱いところがあります」と意外な性質を明かしたが、「『花子とアン』でのあの経験があったので、今回(の大河で)プレシャーを感じていないのかもしれないです」と、経験を糧にしたようだ。