韓国で行われる平昌(ピョンチャン)五輪の開会式まであと3日。同五輪とパラリンピックの広報大使を務めるチャン・グンソク(30)がこのほど、日刊スポーツの単独取材に応じた。父方のルーツが平昌のある江原(カンウォン)道。そこで行われる世界的なスポーツの祭典に“韓国の顔”として関わる思いを語り、「ぜひ平昌に足を運んでほしい」と、日本のファンにアピールした。

 「日本と韓国はすごく近い国です。今も交流はありますが、もっと仲良しな友だちになれると思う。平昌で待っています」。“グンちゃん”の愛称で知られる人気俳優は、流ちょうな日本語でこう呼び掛けた。

 生まれたのは87年。韓国初開催となるソウル五輪(夏季)が行われた前年だった。「当時はまだミルクを飲んでいました(笑い)。記憶はないのですが、ソウル五輪のドキュメンタリー番組をテレビで見たことがあります。全世界からお客さまが来て、街並みがきれいになったりと、韓国にとって歴史的な意味があったと思います」と振り返った。

 今回が母国開催としては2度目で、冬季としては初の五輪だ。「韓国の都市ではソウルや釜山が有名ですが、(平昌のある)江原道など他の場所にもぜひ来てほしい。韓国の全体的な文化を感じてください」。昨年12月、五輪広報大使に就任した際、江原道の広報大使にも同時就任しているだけに「ウエルカム トゥー カンウォン」の呼び掛けも自然と熱を帯びる。

 江原道は父方の故郷だけに、子どものころから何度も訪れてきた。「冬のリゾート地として有名です。パウダースノーが特徴でスキー場がたくさんある。海が近いからイカやカニなどの海産物もたくさん取れます。日本人は海産物が大好きでしょ? 楽しいことがいっぱいあります」。特技のスキーとスノーボードも「小2の時に、ここで始めた」という。今でも仕事がオフの時には現地を訪れ、スキーを楽しんでいる。

 スポーツの魅力は何かと尋ねると達成感だと答えた。「汗をかいて、前よりも1歩先に進んだことを感じられると『あっ、やったな』と。さらに次のレベルに行きたいと思いますよね」。自身の経験から「興味のあることや夢のために、一生懸命にトレーニングをして挑戦を重ねて成功するまで頑張る。それはスポーツでも仕事でも一緒。すごく意味がある」と強調した。

 1月29日には聖火リレーの走者として、日本のフィギュアスケート元五輪代表・安藤美姫さん(30)から聖火を受け取った。「日本と韓国のイメージ的にすごく意味のあることだったと思います」。

 今後は2年後に東京、22年には北京と、東アジア地域での五輪が続く。「全世界のお祭りがアジアで行われる。今回はそのスタートラインです。韓国の顔として、責任感を持って、五輪が成功するように頑張って応援をしていきます」。

 3日後に開会式が迫った平昌五輪。そして来月に開催されるパラリンピックの成功に向け、広報大使として全力を尽くす覚悟だ。【松本久】

 ◆チャン・グンソク 1987年8月4日、ソウル生まれ。5歳でモデルデビュー。97年にドラマ「幸福も売ります」で子役デビュー。06年ドラマ「ファン・ジニ」で注目を集める。韓国ドラマ「美男(イケメン)ですね」(09年)をきっかけに日本で“グンちゃんブーム”が起こった。11年にシングル「Let me cry」で日本で歌手デビュー。182センチ。血液型A。