放送42年目を迎える関西の長寿ラジオ番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」(ABCラジオ=月~金曜午前6時30分)を担当するABCラジオの道上洋三エグゼクティブ・アナウンサー(75)が、髄膜腫治療のため、しばらく休養することが18日、分かった。

 道上アナがこの日、放送の中で明らかにした。7月8日から8月31日まで「8週間、ちょっと早い夏休みをいただきます」と切りだし、主治医と相談した結果、髄膜腫の放射線治療を受けるため、しばらく番組を休むと報告した。

 道上アナは06年にも同じ髄膜腫治療のため、約3カ月休養しており、この日、番組の中で「12年前にも、良性の髄膜腫が頭の中に見つかりまして、手術をして取り除いたんですけど、あの時にわずかに残った4~5%の部分があった」と説明した。

 医師は当初「大きくなるには20~30年かかる」と見立てていたが、道上によると、意外にも「元気な腫瘍で、大きくなった」といい、今回は摘出手術ではなく、放射線での治療を選択し、8週間の休養を決めたという。

 また、12年前に髄膜腫を患った際には「朝刊も見にくいし、色も黒、紺、茶がぼやっとして見分けにくくなっていた」と言い、術後には「きれいに見えるようになっていた」。治療を経て、完全復活した経緯を振り返り「まあ、(放送を)40年頑張ったごほうび(として夏休み)をいただいて、せっかくの機会なので全身を点検して、再び皆さまの前に戻るまで、長い夏休みをいただきます」とリスナーに報告した。

 道上アナは、65年に朝日放送(ABC)に入社。66年から同局ラジオの深夜人気番組「ABCヤングリクエスト」の初代パーソナリティーを務め、77年から「おはようパーソナリティ-」を受け持った。

 「おはよう-」は、アナウンサーは不偏不党が原則だった時代に、個性を前面に押し出した放送で名物アナとなっていた故中村鋭一さんの「おはようパーソナリティ中村鋭一です」を引き継いだ番組。道上アナは先輩の中村さんに次ぎ、2代目「パーソナリティー」に就いた。

 中村さんと同じく、大好きな阪神タイガースに傾倒し、六甲おろしを「我が国歌」と言い、個性を強くアピールして成功。タイガースが21年ぶりに優勝した翌日の85年10月17日には、甲子園球場から公開生放送。03年に朝日放送の取締役に就いた後も放送を継続し、07年の30周年時には、大阪城ホールに1万人を集めて、記念イベントを成功させた。

 著書やCDも発売し、浜村淳とともに関西のラジオを代表する名物パーソナリティーで、昨年、放送40周年を迎えていた。