人気漫画「アルキメデスの大戦」の舞台版が来年、東京・日比谷のシアタークリエ(6月30日~7月16日)に初めて上演されることが15日、分かった。舞台「刀剣乱舞」などで活躍する鈴木拡樹(ひろき、34)が主演する。今年夏に菅田将暉主演、山崎貴監督で映画化され、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞を受賞した話題作。舞台版も話題を呼びそうだ。

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「アルキメデス-」は、「ドラゴン桜」などで知られる三田紀房氏の人気漫画。

1930年代の戦艦大和建造の是非をめぐる攻防戦を、天才数学者の海軍士官・櫂直(かい・ただし)の視点から描いた。三田氏は「映画化に続き舞台化が実現し、これ以上の喜びはありません。難しい専門用語のせりふは多いし、詰め襟の軍服で演技しなくてはいけないし、俳優の皆様にはご苦労をおかけすると思います。期待を胸に楽しみにしています」と話した。

今年夏に公開され、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞を受賞した映画の監督で、舞台原案の山崎監督は「公開した時から舞台向きな話だと言われていたのですが、本当に舞台にしていただけるとは驚きです。激しい議論の中で自分という存在の意味を見つけ、それをささげていく櫂直の姿は舞台という場所でさらに純度を増していくのかもしれないという予感があります」とコメントした。

演技力で定評のある鈴木は「会議のシーンは、アクション作品のような迫力がある。今までは体を使うバトルを演じてきたけれど、今回はせりふのバトルで、原作を読んだ時にアドレナリンが出てきた。このシーンを舞台の生の迫力で伝えたいし、いつもと違うバトルが楽しみです」。

舞台「刀剣乱舞」に主演した時は刀に興味を抱き、探求した。「原作を読んで、数学や軍艦に興味を持ち、いろいろと調べたいと思った。複雑な数式が並び、大変な作業になると思う」。歴史フィクションで知られる劇団チョコレートケーキの古川健氏が脚本、日沢雄介氏が演出を担当。宮崎秋人、福本莉子、神保悟志、岡田浩暉らが共演する。硬派な舞台となりそうで、鈴木も「戦争が忘れられつつある中で、伝えていくことが大事。舞台化することでさらに注目を集められるように努めたい」と話した。