嵐が21日、東京・霞ケ丘町の新国立競技場で行われた同所のオープニングイベント「~HELLO,OUR STADIUM~」に出演した。4曲を披露し、6万人の観客を沸かせた。来年末をもっての活動休止を発表しており、既に超多忙な日々を送るが、新国立競技場の幕開けとともに、さらにギアを上げていく。

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5人がトロッコに乗って登場し、「Love so sweet」のイントロが流れると、大きな拍手があがった。松本潤(36)が「みんな~、こんばんは! 行くぞ国立~!!」と叫ぶと、夜空に大歓声がこだました。リーダー大野智(39)が熱唱し、櫻井翔(37)相葉雅紀(36)が何度も拳を突き出した。二宮和也(36)が「今日からみんなで新しい歴史、作っていこうぜ!」と呼びかけ、観客を沸かせた。オープニングイベントは一瞬にして、嵐のコンサート会場へと姿を変えた。

嵐は08年から、国立競技場が改修工事に入るまでの6年間、毎年コンサートを開催した。全アーティスト最多となる計15公演を行っている。関係者は「国民的アイドルグループであることはもちろん、国立競技場への貢献度も非常に高い」と話す。実績も評価され、記念すべき「初日」の大役を任されたという。相葉は「ここでまたやりたいとは言っていましたけど、まさか本当にできるとは思いませんでした」と喜び、櫻井も「夢のようです」と笑った。

嵐は来年5月15、16日、新国立競技場で単独アーティストとして初めてコンサートを行う。「NHK東京2020オリンピック・パラリンピック放送スペシャルナビゲーター」にも就任しており、さらに同所との縁が深まりそうだ。一足早く会場を踏みしめ、大野は「来年の前にこういうパフォーマンスができてうれしいです。興奮します!」と言葉に力を込めた。

この日は「Happiness」「A・RA・SHI」に加え、日本テレビ系ラグビー2019イメージソング「BRAVE」をパフォーマンスした。二宮は「アスリートの方々も、われわれアーティストも、全ての方々の目標となる場所になってほしいです」、松本は「感動しています! ここでいろんな記録や伝説が生まれていくと思うと、ワクワクしますね!」と笑った。活動休止まで1年強。生まれ変わった国立競技場が、5人の走りを加速させる。【横山慧】

◆1958年3月 旧国立競技場が「国立霞ケ岡陸上競技場」として誕生。同年のアジア大会で使用。

◆64年10月 東京五輪の主会場として、閉会式ではスポーツで最多の7万9383人が入場した。

◆2012年2月 20年東京大会に向けて新しい国立競技場を主会場とすることを発表。8万人収容、開閉式の屋根を持つ全天候型ドーム競技場、総工費約1300億円などが条件。

◆12年11月 公募によって、ザハ・ハディド氏のデザイン案が決まる。

◆13年9月 20年東京五輪の開催が決定。

◆同年7月 建設費の高騰が問題になり、安倍首相が計画の白紙化を表明。

◆同年12月 再コンペによる2案を公表し、隈研吾氏、桂設計、大成建設の案に決まる。

◆16年12月 旧国立競技場の解体工事が完了し、新国立が着工される。

◆19年11月 順調に工事を終了、31日に管理・運営を行う日本スポーツ振興センターに引き渡される。

◇国立競技場の今後 来年1月1日に行われるサッカー天皇杯決勝が公式競技初開催。神戸と鹿島が対戦する試合は、東京五輪のテスト大会も兼ねる。同11日にはラグビー大学選手権決勝が行われる。5月には2、3日に、障害者陸上のジャパンパラ大会が開催。同5、6日には陸上の五輪テスト大会(東京チャレンジ陸上2020)が行われる。同10日にセイコーゴールデングランプリを開催。音楽では同15、16日に嵐の公演が実施される。東京五輪は7月24日に開幕。同競技場では開閉会式と陸上、サッカー女子が行われる。8月25日開幕の東京パラリンピックでは開閉会式と陸上の会場となる。