最近はどこへ行っても新型コロナウイルスの話題になる。

「リモート離婚、ありますよ」とは、在宅勤務の方針を打ち出した大手広告会社に勤める女性社員の言葉だ。在宅ワークをきっかけに家庭不和が起きる例があるという。

女性によると、在宅勤務を命じられた同僚男性は「家にいるなら育児を手伝って」とたびたび妻に迫られ、出社時よりも仕事がはかどっていないという。在宅だが勤務中ではあるし、仕事に関しては妻の理解が欲しいところ。しかし、物理的に存在する夫に妻が助けを求めるのも分かるので悩ましい。家庭内の空気は悪くなり、「リモート離婚、ありますよ」と大まじめに話したのだった。結局男性はカフェで仕事をしているという。

一方で「在宅でもはかどる」という声も聞いた。今回の件で在宅ワーカーになった某テレビ局の女性社員は、宿題をする中学生の娘と並んで仕事をこなし「結構できましたよ」と満足そうだった。

人が変われば、就業環境もそれぞれ。いろいろな人にテレワークの話を聞くのだが、多くの人は「テレワークでも仕事は回るという前例を、当たり前にとらえられては困る」という趣旨のことを言っていた。彼らによると「これまで築き上げた関係各所との関係性があって、今はイレギュラーなことにも対応できている」とのこと。

準備もないまま突入した「在宅」では、家庭、仕事の質などさまざまな局面で問題も起きているようだ。新型コロナウイルス感染拡大の抑止を常に意識しつつ、終息を願うばかりだ。