阪急電鉄は15日、3月以来休止していた兵庫・宝塚大劇場での公演を、7月17日の花組公演「はいからさんが通る」から再開すると発表した。公演は9月5日まで。東京宝塚劇場での再開時期は未定だが、3月以降先送りになっている星組公演からとみられる。

宝塚大劇場での3カ月以上の公演中止は、太平洋戦争以来の事態だった。

再開の花組公演は、新トップ柚香光の本拠地お披露目。新型コロナウイルスの感染拡大防止策をとり、初日から2週間(7月31日まで)は1日1回(午後1時)公演となる。

感染防止策としては、座席の間隔を前後左右1席ずつ空け、最前列の販売は見合わせる。このため、1公演では収容半分以下の1200人強となり、同劇団では「その分、公演期間を長くとって、お客様にご覧いただきたい」としている。

また、客席を使った演出も当面は取りやめ、オーケストラ演奏も録音演奏に代える。花組公演の後、年内は、今春入団の106期生初舞台公演となる月組公演「WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花-」「ピガール狂騒曲」、宙組公演「アナスタシア」の上演が予定される。

生徒らは緊急事態宣言の期間中は自宅待機をし、解除後は自主稽古で準備を重ねてきた。組での稽古開始は6月下旬からを予定している。

宝塚は3月半ば以降、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中止期間の延長を重ね、緊急事態宣言が発令されると、政府要請を受け、4月9日には6月末までの全公演取りやめを発表していた。

その際、7月以降の公演予定については宝塚、東京宝塚劇場を含め全公演スケジュールの見直しも含めて検討するとし、過去に例のない対応となっていた。

また、10月11日付での退団を発表している雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)、トップ娘役真彩希帆(まあや・きほ)と、来年2月14日付で卒業する月組トップ珠城(たまき)りょう、トップ娘役美園さくらら、退団発表済みの生徒の退団日も、それぞれ延期されることが決まっていた。