女優松雪泰子(47)主演の映画「甘いお酒でうがい」(大九明子監督)の舞台あいさつが26日、都内で行われた。

14年キングオブコント優勝のお笑いコンビ、シソンヌのじろう(42)がコントで演じている、中年OL川嶋佳子を主人公にして平凡な40代女性の日常を日記風につづった同名小説の映画化。じろう自身が脚本を担当している。今年4月に公開予定だったが、新型コロナウイルス拡大で公開が5カ月間も伸びていた。

松雪は「公開2日目ですが、この日を迎えられて本当にうれしく思います。作品の立ち上がりから1年半掛かり、本当にこの日を待っていました。じろうさんの脚本は言葉がきれいで、とても心が温かくなる。心が軽やかになる作品です」と笑顔を見せた。

そして「今は大変な状況だから、自分に向き合わなきゃいけない。今までにない作品の形で、心の中の言葉とか感覚というのは、他人には分からないけどすてきだなと思わせてくれる。改めて内省する時間を持ってもらえたらなと感じたりします。穏やかな時間が流れていきます」と話した。

じろうは「まさかまさかの松雪さんと黒木華さんが出てくれている。『マンスリー吉本』っていう、誰も読んでいないサイトでひっそりと連載してたんですよ(笑い)。何も大した事件は起きない、大きな波の立たない映画。日常に面白いものってあるんだよというメッセージになればと思っています」と話した。

川嶋佳子より、ふた回り年下で恋に落ちる青年、岡本くんを演じた清水尋也(21)は「本当に無事に、この日を迎えられてうれしい気持ちでいっぱいです。松雪さんはリビングに座って見ていた女優さん。もっともっと成長しなくちゃいけないと思わせてくれました。今って、いろいろなものが制限されている。何もできない、しない時間にも何かしら意味があって、すてきな瞬間がちりばめられているのを教えてくれる作品です」と話した。

大九明子監督(51)は「主人公は、今の日本にいっぱいいる40代の女性。今を生きる大人の女性のホロッとした日常を楽しんでいただけたら」と話した。