福田こうへい(44)が8日、岩手・陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」で、4年ぶりの復興支援コンサートを開催した。昼夜2回公演で、抽選の計800名が駆けつけた。

11年3月11日に起きた東日本大震災からひと月も経たないうちに、福田は民謡仲間と被災地に駆けつけた。まだメジャーデビュー前で、被災された方々に少しでも元気になってほしいと全力で歌った。そして、そうした支援活動から、元気と勇気を届けることのできる歌の力を、あらためて認識した。福田がプロ歌手を目指す大きなきっかけとなった。

メジャーデビューした翌年の13年から、福田は被災地にステージトラックで駆けつけ復興支援コンサートを行った。節目となる5年間で18会場3万人以上に元気を届けた。

震災から丸10年。陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」開館1周年記念事業として今回の約4年ぶりの復興支援コンサートが実現した。ステージの緞帳(どんちょう)には、震災の大津波に耐え、復興の象徴でもある奇跡の一本松が縫い込まれた。

福田はステージ上から「震災後、被災したかつての市民会館を見た時は涙が止まらなかったです。新しい会館で歌える日を心待ちにしていました。最前列から1番後ろで見てくださっているお客様まで、1人残らず歌で元気を届けたいと思います」と話し掛けた。復興の願いを込めた「ひとりじゃないから」や新曲「男の残雪」、デビュー曲「南部蝉しぐれ」など全23曲を熱唱した。

同じ岩手県出身の大リーグ大谷翔平(エンゼルス)について話が及ぶと「紅白歌合戦でお会いしたことがあります。世界で活躍している大谷選手の様に、私も東北岩手の歌手として頑張っていきたいです」と誓った。

歌による元気だけでなく、戸羽太陸前高田市長(56)に義援金を手渡した。福田は「地元のお年寄りの方をはじめ、これだけは必要だというものに使ってほしいです」と願った。