愛知県の大村秀章知事は31日、同県常滑市で28、29日に開催され、新型コロナウイルス感染対策が不十分だったとして批判が集まっているヒップホップ系イベント「NAMIMONOGATARI2021」の実行委員会側に、30日付で抗議文を送ったことをツイッターで報告した。

また大村知事は、主催者側が30日に発表した謝罪文について、「自分達に都合の良いように事実と異なる記述がなされています」との意見を表明し、県側と認識や見解が異なる点を指摘した文書をアップした。

大村知事は「『NAMIMONOGATARI2021』の開催について、愛知県は昨日8月30日付で、抗議文を送付させて頂き、実行委員会側に対し、早急に事実関係の報告としかるべき対応を求めているところです」として、県の抗議書をアップ。抗議書はソーシャルディスタンスの確保やマスク着用徹底、酒類提供自粛がなされていなかったとする情報が多数寄せられたことを指摘し、主催者側に事実確認と県への報告、公表を求め「厳重に抗議する」と締められている。

また大村知事は続けての投稿で、「そうした状況の中で、昨夜、突然主催者側から『お詫びと経緯のご説明』という文書が配信されました。しかしながら、その内容には、自分達に都合の良いように事実と異なる記述がなされていますので、ここに指摘をさせて頂きます」と説明。見解の相違点を3点あげた。

1点目は、主催者が「8月18日までの10日前までの時点で、今年の開催が可能なこと、過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で愛知県から話を頂き」とした文書の文言について、大村知事は「12日のWEB面談の際に、県から酒類提供の自粛を要請している」とし、「過度な飲酒でなければお酒の提供も可能と説明した事実はない」と断言した。

2点目は、主催者が「愛知県の指示に従い、8月20日でまずチケット販売を終了」とした点について、大村知事は同12日の主催者とのウェブ面談で、チケット販売をまだおこなっている場合は即停止するよう伝えたとした。

3点目は、主催者が酒類の販売について、「一部キャンセルできない物を販売しますと愛知県担当者に報告」したとしている点について、大村知事は24日のウェブ面談時に、酒類販売の申し出に対して県側が再度提供自粛を強く要請したと主張。26、27日にも県からメールで自粛要請し、29日には電話で運営事業者に対しガイドラインに沿った運営がなされているか確認、注意するよう指示したとした。