岡田将生(32)が20日、東京・グランドシネマサンシャイン池袋で行われた映画「聖地X」(入江悠監督)公開記念舞台あいさつで、タイトルにちなんで自身のパワースポットについて聞かれ、長ネギ1本が18円で売られていた近所のスーパーだと即答した。

岡田は「最近、近所のスーパーに行ったら、長ネギ1本18円。超安いでしょ!?」と声を大にした。その上で「でも怖くて取れなかった。18円…本当にうれしいんだけど」と言い、笑った。思わぬ庶民的な一面を見せて会場を笑わせたが、舞台あいさつの最後に「長ネギの話をしてしまい、本当に反省しています。自分でも、この話をしたのがミステリー」と笑った。

「聖地X」は、超常的な世界観で人気の劇団・イキウメの舞台の映画化作品。岡田は、父親がのこした別荘のある韓国に渡り、悠々自適の引きこもりライフを満喫する小説家志望の輝夫を演じた。川口春奈(26)演じる妹の要が結婚生活に愛想をつかして転がり込んでくるが、韓国の商店街で日本に残してきた夫の滋(薬丸)を見かけ、後を追ってたどり着いた巨大な木と不気味な井戸を擁する和食店で、無人のはずの店内から、パスポートはおろか着の身着のまま、記憶さえもあやふやな滋が現れる、ミステリアスな物語だ。

岡田は「撮影は2年近く前になりますが、公開できて感慨深い」と語った。その上で、演じた輝夫について「本当にポンコツのお兄ちゃん…分かっていて演じていましたが、兄妹の成長を描く物語。これ、どんな映画だと思っていました。輝夫のキャラクターで成立している部分があり、面白い」と役どころを振り返った。

劇中では、輝夫が父の別荘のプールに浮かべたボートに乗るシーンなど、プールも印象的に描かれる。オール韓国ロケで作られたが、撮影の際は、ものすごく寒かったという。岡田は「思った以上に韓国が寒く、水も冷たかった。水が(物語の)キーになっていて…入りたくなかったけど、震えながらやっていた」と撮影を振り返った。その上で「役者さんは作品のためになるなら、というのがあるから」と、さりげない口調ながらも俳優としてのプライドものぞかせた。