ドナルド・トランプ前米大統領が、一度もテコンドーをやったことがないのに最高段位の黒帯保有者になったと米ニューヨーク・ポスト紙が報じた。

韓国の国技であるテコンドーの団体、世界テコンドー本部の国技院のイ・ドンソプ院長が19日、トランプ氏が居住するフロリダ州パームビーチの別荘マー・ア・ラゴを訪問し、名誉九段の段位を授与したという。国技院の公式SNSで、贈られた道着を身に着けたトランプ氏とドンソプ院長がポーズを取る2ショット写真を公開している。複数枚公開された写真の中には、トランプ氏が北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と握手する写真が飾られた壁の前で撮影したものもある。

同院長は地元メディアの取材で、「トランプ前大統領は非常にテコンドーに興味を持っていると伺った」とコメントしているが、ニューヨーク・ポスト紙はトランプ氏は1度もテコンドーの練習をしたことがないと伝えている。トランプ氏は「非常に光栄だ」と語り、「自分の身を守るための立派な武道だ。もし私が再び大統領に選ばれたら、道着を着用して議会に出席する」と述べたという。

最高段位となる九段はごくわずかな熟練武道家しか保有しておらず、世界的に有名な武道家で俳優のチャック・ノリスが持つ八段より上になる。テコンドーには修練者でなくとも普及に努めた優れた人格者に対して功労をたたえて名誉段位を贈る制度があり、ロシアのプーチン大統領も2013年に韓国を訪問した際に名誉九段の段位を授与されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)