狂言師の野村萬斎(56)が5日、都内で、「能 狂言『鬼滅の刃』」の制作発表会に出席した。吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏の人気漫画「鬼滅の刃」が原作の能狂言。野村は鬼舞辻無惨、竈門炭十郎、天王寺松右衛門の3役で出演するほか、演出も担当。この日は鬼舞辻無惨をイメージした、白い着物で登場し、原作について「日本に根差したストーリー。鬼が主題で、能や狂言の世界に近い」と話した。

「鬼滅の刃」と能狂言の世界観の親和性について野村は「今も鬼いません? コロナも鬼かな?」と笑いを誘いつつ、「閉塞(へいそく)感を能狂言と『鬼滅の刃』で打ち破られれば」と意気込みを語った。

監修と下弦の伍・累役を務める、能楽師で人間国宝の大槻文藏、竈門炭治郎、竈門禰豆子(ねずこ)を演じる大槻裕一、脚本制作に当たる補綴(ほてつ)の木ノ下裕一も出席した。

この日が誕生日だった野村はケーキとブーケを贈られ「『鬼滅の刃』をはじめ、新しいことをやりたい」と抱負を語った。「能 狂言『鬼滅の刃』」は7月26日から31日に東京で、12月9日から11日に大阪で上演される。【加藤理沙】