お笑いコンビ、トータルテンボスの藤田憲右(46)らが9日、埼玉・越谷市のM2 SPORTS FIELDで子ども向け野球教室「Yoshimoto Enjoy Baseball in Koshigaya」を開催し、過去最多となる43人の子どもたちに野球の楽しさを伝えた。

これまでは野球経験者も参加可能だったが、4度目の今回は5~10歳までの未経験者のみを対象に実施。柔らかいボールを使い、3グループに分けて投球、守備、打撃をローテーションしながら行った。

発起人の藤田は投球担当として子どもたちにひじを痛めない正しい投げ方を実演しながら伝えた。野球未経験者への指導は自身への刺激にもなったといい「楽しかったですね」と振り返った。ポイントに挙げたのは、うまくできない子どもへの対応。「エアーで投げさせたら何となくわかる」とまずはボールなしでの投球動作を確認し、フォームを修正。「どこを直せばいいのかポイントを見つけて伝える。自分への答え合わせにもなりましたし、引き出しもすごく広がりました」と話した。

元高校球児で日本野球連盟の指導者ライセンスも持つ。小学生年代の野球人口減少や、野球を始めながらも楽しさを見つけられずに辞めてしまう子どもらを食い止めるべく、2年前から活動を始めた。小学6年になる息子の少年野球チームのコーチも務めており、今回も保護者との交流も実施。子どもは親のフォームなどをまねしてしまうことなどを伝え、質疑応答にも応じた。

幼少期の球数制限について問われた際は「硬い球でたくさん投げているなら制限すべきですが、柔らかいボールなどなら大丈夫だと思っています。子どもは疲れたらやめますし、痛ければ自重する。家での遊びは制限せずにやってほしい」とアドバイスした。両親が野球好きで、子どもにも興味を持ってもらうために参加したという保護者には「実はうちの息子も野球にそんなに興味がなくて」と苦笑いしつつ「強制するとどんどん離れていきます。僕は野球は小学5年から初めても遅くないと思っています。それまでは水泳やサッカーとか他のスポーツで違う動きを学ぶ。そこからでも全然追いつけると思います」と語った。

今回は都内を飛び出し、初の埼玉県内での開催でもあった。「昔から埼玉は野球熱も高かったので、やれてよかった」。参加者も右肩上がりで、今回は前回いなかったテレビ局2社の取材なども入った。「結構、活動が大きくなってきているなというのを感じました」と手応えも口にし「全国にこうした動きが広がっていってくれたら」と期待も込めた。

同イベントは将来的なアカデミー化も視野に入れており、今後も継続して開催予定。藤田は参加者でチームを組んでトーナメント戦を行うことなどを目標に掲げており「いずれいろいろな地方でもやれたらうれしいですね」と力を込めた。

今回は元プロ野球選手で現役時は片岡治大名義などで西武や巨人で活躍した片岡保幸氏(39)や、お笑い芸人の漢咲コータロー(29)らもゲスト講師として参加した。教室後は藤田や片岡氏らがサインや写真撮影などにも気さくに応じ、こどもたちを喜ばせていた。【松尾幸之介】