コロナ禍で例年より遅れて3月14日に宝塚音楽学校を卒業した108期生が23日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した星組公演「めぐり会いは再び next generation」「Gran Cantante!!」で初舞台を踏んだ。

ショーの終盤、108期生は「サフランの花」をイメージした衣装で、宝塚歌劇の象徴、大階段からラインダンスをスタートした。サフランの花から階段を下りて別れ7つの星を形成し、横一列に並んでロケット。最後は全員で舞台と客席の間にある銀橋を渡り、5分弱の踊りを披露した。

首席入団の娘役、茉莉那ふみ(まりな・ふみ)は「カレンダーに(初日まで)残り何日か記していて、いつかここ(大劇場)に立つんだと、少しずつ実感していました。お客様の顔がすごくよく見えました」と感激の思いを口にした。

108期生は、緊急事態宣言下にあった2年前の春に入学。一昨年4月の入学式は戦後初めて延期。同6月に宝塚大劇場ロビーで入学式に臨んだ。今年3月の卒業式も、当初予定から11日遅れ、宝塚バウホールで開催。入学、卒業とも劇団施設での式典になった。

この日、娘役の彩姫みみ(あやひめ・みみ)は「目の前に広がる光景を見て、舞台に立っているんだとヒシヒシと感じました」。娘役の花海凛(はなみ・りん)は「劇場の広さに吸い込まれそう。でも負けないように」と気を引き締めた。

口上は全38人で臨み、ラインダンスは1人休演。初日の口上は、茉莉那、彩姫、花海の娘役3人が務めた。コロナ禍を乗り越えて初舞台に立った108期生を代表し、茉莉那は「雑草のような期です。先生に怒られ、失敗しても、しっかり根をはって、何度も何度もぶつかってきました」。彩姫は「正面から体当たりして(稽古を重ねて)きた」と言い、花海も「まっすぐ」進んできたと語った。

舞台へかける思いの強さからか、5分弱にも及んだラインダンスも、茉莉那は「体感では10秒ほどでした」と照れ笑い。花海は「(稽古当初は5分弱が)体力ないなと思っていましたが、何回も何回も稽古をするうちに、踊った後に『楽しかった』と思えるようになりました」と満面笑みで話していた。

108期初舞台生は、星組の宝塚公演千秋楽となる5月30日まで出演する。