シンガー・ソングライター谷村新司(73)が1日、東京・法務省で行われた「第72回社会を明るくする運動キックオフイベント~#生きづらさを生きていく。~」に出席し、思いを語った。

同運動は、法務省が主導し、犯罪や非行のない地域をつくるために人々が考え、参加するきっかけをつくることを目指すもの。谷村はフラッグアーティストとして参加しており、この日も少年院を訪れた際の話や、更生保護施設でシルバーリング作りを行った際のエピソードなどを紹介。「いろんな施設を訪問させて頂きましたけど、温かい目で迎えてくれる子もいれば、絶えずにらみつけているような子もいます。そのような中で、スタッフの方は全ての子どもたちに愛情を持って接していて、感動したことを覚えています」と振り返った。

活動の最後に行っているという歌の力についても語った。谷村は「一番最後に歌うんですけど、大体、子どもたちの面倒をみている方々が知ってくださっている世代なので。そういう人たちを応援する。子どもたちが知らない歌ということは多いんですけど、そうした方が楽しそうに歌っているところを喜んでいる子どもたちがいました」。

その上で「歌って無条件だと思っています」とも語り、「音楽の持っている力、音楽だけが次元を超えて瞬時に細胞に届く。無条件に鳥肌が立ったり、涙が流れることがイエスという反応だと僕は思っているので。これからもそうしたことを大事にしながら歌っていきたい」と話した。

活動の発展には「心の縁側作り」の重要性も訴えた。谷村は子どもたちの更生を促す活動を、かつて住宅に当たり前のようにあった縁側に例え、「縁側の外は外なのですが、縁側に座って、外から来た人も座ってそこでお茶を飲める。そこから何かが始まっていく場所でした。(活動は)居場所としての縁側作りをしてくれているんだと思って。そうした心の縁側作りが広がっていけばいいなと思いました」と思いを込めた。