メンバー4人全員が70歳以上という、異色の新人バンド、SKYE(スカイ)が26日、都内で初単独ツアーの千秋楽公演を行った。ギター鈴木茂(70)ベース小原礼(70)ドラム林立夫(71)のロック黎明(れいめい)期に活躍した3人にキーボード松任谷正隆(70)が加入。昨年10月にアルバム「SKYE」でデビューしての初ツアーだった。 松任谷が「僕たちを打ち上げてもらおうと、推進力のすごいゲストを3人呼びました」とあいさつし、奥田民生(57)尾崎亜美(65)荒井由実(68)が順々に登場した。

ユーミンが「荒井由実」名義でパフォーマンスをするのは8年ぶり。デビューシングル「返事はいらない」を歌唱後に、同曲のレコーディングに鈴木と小原が参加したことを明かし、同時期に林にも出会ったと話した。

そして「その後にアルバムを作る時に、この方と会った」と夫の松任谷を紹介。「残り物に福があるというか…」と“愛の告白”のようなセリフを口にすると松任谷が「ありがとう」。さらにメンバー4人について、「ほとんど幼なじみでバンドを組んで、うらやましいと思っている人がたくさんいる」と語り、「私も(松任谷さんの)妻でいられて幸せ」と笑顔で語った。その直後に「Hong Kong Night Sight」を“夫婦デュエット”。松任谷がソロで歌いユーミンがカバーした思い出の曲で会場を埋める2000人を盛り上げた。

この日は約2時間で22曲を披露。4公演で9000人を動員した初ツアーは成功のうちに幕を閉じた。【松本久】