米俳優ウィル・スミス(54)主演の新作映画「イマンシペイション」が、12月に公開されることが決まった。

スミスにとっては、3月にアカデミー賞授賞式でコメディアのクリス・ロックを平手打ちして物議を醸して以来初の劇場公開作となる。

配給元の米アップルが3日、予告編を解禁し、12月2日に全米で1週間劇場公開することを発表した。アカデミー賞授賞式で起きた騒動を受け、一時は本作の年内公開が暗礁に乗り上げていたが、これによって来年のアカデミー賞の選考対象にもなることが決まった。同月9日からはアップルTV+で配信も始まる。

本作は米南部を舞台に、奴隷から逃れたアフリカ系米国人の実話に基づく物語で、「トレイニングデイ」(2001年)で知られるアントワーン・フークア監督がメガホンを取っている。撮影は騒動が起こる以前に行われていたという。

スミスは、妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスの容姿をジョークのネタにされたことに激高し、生放送中の檀上でロックを平手打ちした騒動を受け、アカデミー賞授賞式を含む関連イベントへの出席を10年間禁止された。自ら同賞を主催する映画芸術科学アカデミーからも退会したが、引き続きノミネートや受賞資格はあることから、本作で再び主演男優賞候補に選出される可能性はある。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)