受賞作と受賞作品を発表した、日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルで昨年12月27日に配信した特別番組および、同28日付紙面とニッカンスポーツ・コムで紹介しきれなかった受賞者の方々のコメントも入れた、インタビューのロングバージョンをあらためて掲載します。

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清野菜名(28)が「キングダム2」(佐藤信介監督)「異動辞令は音楽隊!」(内田英治監督)「ある男」(石川慶監督)の3作品で助演女優賞を受賞した。「信じられない。ノミネートされたことを聞いた時からぞくぞくしたというか。感じたことのない感情になりました」と喜びをかみしめた。

アクション女優の地位を確立した清野も「キングダム2」の羌瘣(キョウカイ)役には「人間離れした強い役なので、自分が実写で表現できるか不安もあった」という。さらに、人気キャラクターを演じることで「誰がやるんだと反響が大きかったので、ちょっとうれしい半面、どう受け取ってくれるか不安もありました」。

新しい壁を打ち破るため「全力を毎日出し切った」という。「羌瘣の過去も背負うことで、復讐(ふくしゅう)心、目の奥から伝わる強い感情、悲しさを自分の中で整理して、毎日羌瘣と一緒に生きていくことがアクションにも自然と反映されたと思います」。

半年近く、ほぼ毎日“羌瘣の筋肉作り”に励んだ。「1度見ただけじゃ何が起きたかわからないというのを感じてもらえるように、リズムを崩したり、滑らかさを出すためにアイソレーションをしたり。地味な部分をずっとやって、ダイナミックなアクションになめらかな動きを足す。何カ月も少しずつ、自分の物にしていかないと出来なかった」と振り返った。これまでもアクションに定評があったが、新たな発見もあった。「リズムの崩し方1つでインパクトが出るという発見。もっと年齢を重ねてもアクションが出来ると感じました」と力を込めた。

「異動辞令-」では吹き替えなしのトランペット演奏シーンを「大変でした~」と笑顔で振り返った。「未知すぎて、音を鳴らすのが難しい。スタートラインにも立てないときがあって。家でも楽譜を置いて手だけでも練習してました」。

清野が演じた来島春子は警察音楽隊と交通課を両立するシングルマザー。3つの顔を持つ役柄に「両立は出来ないんだろうと、その葛藤をずっと持っていて、撮影が終わってもつらかったというか、なんか申し訳ない気持ちがありました」と話した。

清野自身も今年3月、生田斗真との間に第1子を出産。母になってからの母親役に「いるといないで子どもの見方はちょっと違う。意外ともっと人間として接しても良いんだなと感じます」といい、両立に悩む春子に「両立するからこその生きづらさはちょっと、自分でもわかりました」と母の一面ものぞかせた。

11月に公開された「ある男」では、ほか2作品とは異なるテイストの役に挑戦。脚本を読み「不思議な感覚でしたね。人間について考えたというか」と言葉を選んだ。妻夫木聡、安藤サクラ、柄本明ら豪華俳優陣と共演し「こんなところにいていいのか、すごいところに参加させてもらえました」と共演者へのリスペクトがやまなかった。

物語の鍵を握る役どころに「過去のシーンに向かうにつれて、過去のストーリーが出来ていく。(ラストは)自然とあふれてくるものがあって、こんなに涙があふれるのか、何テイクやっても涙って枯れないものかと。今までになかった感じが幸せな時間でした」。

22年は主演作を含めると4作品に出演。アクション女優として称賛される清野がシリアスな役まで幅広く活躍した。「どの作品も全く違う役で自分にとって挑戦出来た1年でした」。まもなく30代。「ハリウッドにアクションで行きたいので、英語をもっと勉強して、オーディションも受けたいです」と力強く、今後の展望を語った。【加藤理沙】

◆清野菜名(せいの・なな)1994年(平6)10月14日、愛知県生まれ。07年に雑誌でモデルデビューし、女優としても活動。14年の映画「TOKYO TRIBE」(園子温監督)への出演で話題を呼び、第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。15年「東京無国籍少女」(押井守監督)で映画初主演。2018年NHK連続テレビ小説「半分、青い。」で朝ドラ初出演。ドラマ「今日から俺は!!」(18年、日本テレビ)で一躍有名となり「若手アクション女優」としての立ち位置を確立。160センチ、血液型B型。

◆キングダム2 遥かなる大地へ 紀元前の春秋戦国時代、政が王座奪還を果たして半年、隣国・魏の大軍が侵攻してくる。本格的な戦は初陣の信(山崎賢人)は秦軍の末端歩兵ユニット伍のメンバー、高い身体スキルを持つ羌瘣(清野)らと、一歩兵として軍に加わり、決戦に向かう。

◆異動辞令は音楽隊! 犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司(阿部寛)が、突然警察音楽隊へ異動を命じられる。失意の中、子育てをしながら交通課とトランペットを掛け持ちする来島春子(清野)ら音楽隊と新しいステージで輝きを取り戻す。

◆ある男 弁護士の城戸(妻夫木聡)は亡くなった大祐の妻里枝(安藤サクラ)から身元調査を受ける。大祐の兄が遺影を見て「大祐じゃないです」と告げ別人と判明。正体を追う中で、本物の大祐の元恋人、後藤美涼(清野)過去を知る茜(河合)らを手掛かりに真実にたどり着く。