宝塚歌劇団の花組公演「うたかたの恋」「ENCHANTEMENT(アンシャントマン)」が1日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開け、新年初日から花組トップ柚香光(ゆずか・れい)が麗しい軍服姿を披露した。

芝居は故柴田侑宏氏が83年に初演し、再演が重ねられる「うたかたの恋」。オーストリア皇太子ルドルフと、男爵令嬢マリーの心中事件をもとに、愛を描く宝塚歌劇名作のひとつだ。

幕が上がると同時に現れる真っ白な軍服のルドルフ、白いドレスのマリー。おなじみの赤に仕立てられた大階段に、柚香とトップ娘役星風まどかの姿が浮き上がり、2023年の宝塚歌劇がスタートした。

将来を嘱望されたりりしい皇太子ルドルフの光と影。マリーを「小さな青い花」と名付けるロマンチストでありつつ、寝室に骸骨とピストルを置く狂気を内在した青年を、柚香は繊細な役作りで表現した。

今作は小柳奈穂子氏が潤色・演出に入り、新曲も追加。衣装も、歴代ルドルフに比べ、華美さを抑えて比較的シンプルに作られた。

初日前々日だった昨年12月30日には、大劇場で最終の通し稽古が行われ、柚香は「この場をお借りして、2022年もありがとうございました」。まずは昨年1年への感謝の思いを口にし、続けて「本日の通し稽古で、また新しい課題が見つかりました」と語った。

昨年大みそか1日をはさんで初日を迎えることから「明日(大みそか)1日、その新たな課題と向き合って、おいしい年越しそばをいただいて、正月の公演に向かいたいと思います」と言い、新年初日に迎える開幕へ備えていた。

4月に専科へ異動する人気スター水美舞斗(みなみ・まいと)は、自由な愛に生きるがゆえ、柚香演じるルドルフが「理想」とするいとこのジャン・サルヴァドルを熱演。ルドルフに次ぐ王位継承者であるフェルディナンド大公には、永久輝せあがふんし、ハプスブルク家に生きる葛藤を表現した。

ショーは野口幸作氏の作・演出で、柚香の名前から着想した「香り」「香水」がテーマ。柚香、星風のダンサーコンビによるデュエットはもちろん、水美、永久輝に続き、美しさが増し進境著しい聖乃あすかは、女役にも挑戦。アイドル性に磨きがかかる帆純まひろら、“香り高き”花組メンバーがそれぞれに個性をアピールした。

宝塚大劇場は30日まで、東京宝塚劇場は2月18日~3月19日。