昨年11月に61歳で亡くなった、俳優渡辺徹さんの「お別れの会」が28日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。

会場には長男で喪主を務めた、俳優渡辺裕太(33)、妻でタレントの榊原郁恵(63)をはじめ、生前一緒に仕事をした多くの俳優、タレント、関係者らが会場を訪れた。式典には約1200人、うちタレントは約200人が出席した。

祭壇は太陽のような渡辺さんが舞台に現れるイメージで、徹さんと榊原の好きな色をテーマカラーに、カーネーションなど1万1850本の花で彩られた。祭壇の遺影は、20年9月ごろ夫婦での取材の際に撮影したものという。

内藤剛志(67)の声掛けで開式。渡辺さんが所属した劇団「文学座」の代表で、発起人の1人を務めた角野卓造(74)があいさつに立った。「劇団で初めて共演してから35年、稽古場で徹の姿を見るといつも感じたのは『今』っていう風だった。多岐にわたって大活躍してきた。渡辺徹は生涯、文学座の劇団員でした。心から誇りに思っているよ。徹、ありがとう。またな」。

同じく発起人で、文学座時代の先輩にあたる中村雅俊(72)は「徹って優しくて気遣いができて、ユーモアがあってチャーミングで。本当にできた弟です。徹、俺たちお前のこと忘れない。絶対忘れないからな」と参列者と挙を上げて唱和した。

献花の際には並行して、お別れ懇談会も開催。会場は「渡辺徹展」と題してテレビや舞台で活躍する姿や結婚式、日常の夫婦の写真、台本やレコード、巨大マヨネーズを手に笑顔を見せる徹さんの等身大パネルなどが飾られた。

懇談会ではお笑いコンビ、なすなかにしが司会を務め、ステージ上ではお笑いコンビ中川家、サンドウィッチマンによる徹さんとの思い出トーク、この日欠席者からのVTRメッセージ披露などが行われ、最後は徹さんの代表曲「約束」を全員で歌った。

懇親会の中では、渡辺徹プロデュースお笑いライブ「徹座7」が9月2日東京・浅草公会堂で行われることも発表された。

返礼品には特製ラベルが貼られた、渡辺徹オリジナルデザインのマヨネーズ、この日発売された「すべては出会い:渡辺徹の愛され人生」(きずな出版)などが贈られた。