世間ではやれ若者の離職率が~などと話題に上がることも多い中で、女性アイドルグループでも特に異例の「定着率」を誇る集団がある。乃木坂46の3期生だ。9月4日で加入から7周年を迎える。16年の加入時は12人。21年9月に卒業した大園桃子さん(現在は芸能界引退)以外は、11人が現役だ。
今年2月に3代目キャプテンを引き継いだ梅澤美波(24)に、グループトップクラスの人気を誇る与田祐希(23)。今年3月発売のシングル「人は夢を二度見る」でダブルセンターを務めた山下美月(24)と久保史緒里(22)は、それぞれNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」とNHK大河「どうする家康」にレギュラー出演を果たし、グループ現役メンバーとしては初めての扉を開いて話題となった。
そもそも、大園さんが加入5周年の21年9月に卒業するまで12人が誰ひとり辞めていなかったことが、アイドル界でもかなり異例だった。理由はさまざまだが、大人数グループにはメンバーの卒業や脱退、活動終了がつきものだからだ。3期生は、19年に4年目に入ったあたりから関係各所で「まだ1人も辞めてないって、実はすごくない?」などとささやかれはじめた。5周年を迎える頃にはアイドルグループに詳しいテレビ局関係者も「こんなに辞めずに活躍し続ける『期』は見たことがない」と舌を巻いていた。
要因は1つではなく、偶然でもあるのかもしれない。もちろんトップアイドル乃木坂46の環境もあるだろう。心身ともにハードなアイドル活動へのモチベーションや気力に体力、周囲との相性の良さも兼ね備えてこそ長期間続けられるのだろうし、先輩メンバーやスタッフ、家族らのサポートも必要だ。さらに、オーディションそのもののクオリティーも高かったのだろう。応募総数4万8986人、倍率約4082倍はだてではない。
今年2月に秋元真夏(30)が卒業し、5月に齋藤飛鳥(25)の卒業コンサートを終え、1、2期生が完全に離れた乃木坂46を、“最高学年”となった3期生が大きくけん引している。「真夏の全国ツアー2023」でも、パフォーマンスやMCでの安定感が光り、4、5期生の後輩からの信頼も厚い。間違いなくグループの中核となった。
「乃木坂46新聞2023」(25日から順次発売)の対談インタビューで、11人がグループに残っている話題になると、山下は「すごいね」と笑い、梅澤も「みんな、よくやってるわ」と笑顔だった。簡単なせりふのようだが、密度の濃い7年間を過ごして来たからこその重みもあった。
主演映画で共演した故・宝田明さんから「大女優の片りんがある」と絶賛された3期生最年少の岩本蓮加はまだ19歳。7月に初の沖縄公演で地元凱旋(がいせん)を果たした伊藤理々杏もまだ20歳。他のメンバーも同様だが7年目にして伸びしろも、新たな挑戦も尽きない。
「新生乃木坂」を引っ張る3期生は、どこまでいくのか。“最高学年”として輝きを増していくであろう11人は、より多岐にわたって活躍していきそうだ。【横山慧】



