女芸人ナンバーワンを決める「THE W」決勝(午後7時、日本テレビ系生放送)が9日に行われる。過去最多863組がエントリーし、第1回覇者ゆりやんレトリィバァや4年連続進出の紅しょうがら実力者12組が7代目女王を目指す。決勝初進出の姉妹コンビ、梵天が取材に応じ、姉妹の絆や勝利への道筋を語った。【松尾幸之介】

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結成2年半で大舞台をつかんだ。姉の薪子(29)と妹しおたむ(27)で組む沖縄出身コンビ。普段のやりとりがベースのネタで人気を高めている。薪子は「今まではボケで3年でいくと言っていたので、2年目でまさかの。ちょっと恥ずかしいですね」と正直に語り「決勝は一番好きなネタでいきます。まだまだ下手なので伸びしろは一番あると思っています」と力を込めた。

結成のきっかけは妹の借金だった。金額は「数十万円」で「芸人で一獲千金」(しおたむ)と会社員だった姉を1年かけて口説き落とした。薪子は「ノーギャンブルで、酒とたばこと食事だけで借金ですよ。近くで身内が見ていないとやばいなと思ったのもある」。しおたむは「思っていた以上に自分は稼げてなかった」と反省し「売れたらすぐに返します」と燃えている。

太田プロの養成所に入ったのは、他社に比べて入学金が安く、薪子がアルコ&ピースのファンだったから。薪子は「私はアルピーさんのラジオのヘビーリスナーで。養成所時代に道で偶然遭遇した時に(アルコ&ピースの)平子さんから『いつか一緒に仕事しましょう』と言われて。そのあと、本当に一緒に仕事をすることがあって、感動しました。平子さんにその時の話をしたら、覚えてなかったですけど(笑い)。『覚えてないけど、そんなかっこいいこと言うのは多分僕です』って。それくらい日常のことなのかな。また一緒に仕事ができたらなと思っています」。

THE W決勝で戦う、まいあんつとは仲が良く、ライブに呼ばれるなどかわいがられている。親しくなったきっかけは、薪子が楽屋で、しおたむと他の芸人の写真を撮った時に、着替え中の下着姿のまいあんつが背景に映り込んだものをSNSに投稿してしまったことだった。「背景になじみすぎてて全然気づかなくて。『めっちゃ面白かったからいいよ』と。今回もまいあんつさんがいるので落ち着いて臨めます」(薪子)。しおたむは「多分あれは一番ダサい時のパンツでしたね」と笑わせた。

THE W決勝進出という結果が評価され、11日には所属する太田プロ主催公演の年間王者を決める「月笑 2023 クライマックスシリーズ」(東京・イイノホール&カンファレンスセンター)にゲスト出演する。養成所時代に指導を受けたセンチネルらも出場予定の舞台で、薪子は「私たちは本当なら月笑に出られるG2ランクの下のG3ですからね。まだ会ったことのない売れてる先輩と仕事ができるのはうれしいですけど、まだそんな身分じゃない」と謙遜する。「決勝の直後なので、結果次第で向き合い方が変わりますよね。豪華メンバーが出るステージなので、私も客席で見たいくらいです」と意気込んだ。

目標には「東のやすともさんになれるように」(薪子)と吉本興業の大御所姉妹コンビ、海原やすよ ともこを挙げた。しおたむは「優勝したら地元の(沖縄)うるま市に銅像を建ててほしい。闘牛が有名で、お父さんも好きなので、地元の闘牛ドームの前とか。凱旋(がいせん)ライブもしたいですね」と声を弾ませた。

まだまだ駆け出しだが、しっかり通った芯のようなものを感じた。沖縄生まれの強烈姉妹が、晴れ舞台での大暴れを狙っている。

◆梵天 薪子(まきこ)1994年(平6)7月20日生まれ。琉球大卒。身長156センチ、血液型O。しおたむ 1996年(平8)11月23日生まれ。関西学院大卒。共に沖縄県うるま市出身。身長161センチ、血液型O。21年4月結成。太田プロエンターテインメントカレッジ東京校19期生で22年3月卒業。コンビ名は漫画「東京リベンジャーズ」の組織名から。薪子は昨年まで神奈川県内などで発行の無料地域情報紙「タウンニュース」相模原担当として勤務し、小泉進次郎氏らの取材経験あり。しおたむはタクシードライバー経験者で、利きタバコ(レギュラーのみ)が特技。