歌手小林幸子(72)が14日に東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京で行ったクリスマスディナーショーを取材した。

オープニングでは「ニコニコ動画」で「ラスボス」として人気を集めていることを紹介する映像を流し、会場が一気にテンションアップ。一転して「雪椿」、「とまり木」、そしてデュエットの「もしかしてPart2」ならぬ「もしかして」を1人で歌い上げた。

そこからジャズ、シャンソン、「ホワイトクリスマス」と多彩な歌声を披露。2年前に小林が東京・青山のブルーノートでジャズを歌ったライブも取材したのだが、それ以来の“演歌・歌謡曲の小林幸子”以外の歌声を堪能した。

そして「おごらず、人と比べず、面白がって、平気で生きればいい。年を重ねることは大事なこと。じゃあどう生きたのか、が大事」と話して、昨年7月に芸能生活60周年、100枚目のシングルとしてリリースした「オシャンティ・マイティガール」を熱唱した。シャンソンの名曲「愛の賛歌」の歌詞を変えた「青空の破片」も圧巻だった。

小林は1964年(昭39)に「ウソツキ鴎」でデビュー。デビュー曲こそヒットしたが、その後は79年の「思い出酒」200万枚超えの大ヒットまで時間がかかった。「私にとって人生を変えた曲」と話して、丁寧に歌い上げた。

何よりもすごかったのが、その歌声だ。長年取材を重ねていると、“歌姫”と言われた歌手が、時には年齢とともに声が出なくなる現実を見て切なくなることもある。ただ、小林幸子は全盛期そのままの歌声で、演歌のみならずジャズ、シャンソンも歌い上げる。72歳。国宝級の歌声ではないだろうか。

歌い続けることで“どう生きるか”を見せてくれる「歌手・小林幸子」。今年もYouTubeでいろいろな企画に挑戦。渋谷でアイドルにもなった。

「来年もいろいろな人との出会いを持って、いろいろ新しい事に挑戦したい」と話す姿勢にブレはなかった。【小谷野俊哉】