NHK稲葉延雄会長(75)が17日、都内の同局で定例会見に出席し、来年1月24日に任期を迎える自身の後任として会長となる、現副会長の井上樹彦氏(68)への期待を語った。

稲葉会長は視聴者の求める情報を正確に伝えていく同局の役割などについて語り「NHKの使命や役割は時代を超えて変わることはないと確信しております。あとを継ぐ方にもこうした志を大切にしてNHKの使命のかじ取りを担っていただければ、私としては何の心残りはありません」とし「その点、井上副会長は3年間、誰よりも近くでこうした思いを共有して支え続けてくれてきました。安心して次を任せることのできる人物だと思っております」と話した。

NHKでは、元日銀理事の稲葉氏を含め、近年は6人連続で外部登用となっていた。NHK内部から会長に就任するのは2008年に職員のインサイダー取引の引責で任期満了日に辞任した橋本元一氏以来18年ぶりとなる。稲葉会長は「内部昇格うんぬんはあまり気にしていない」とし「私も外部から来て難しいと思ったこともない。大切なのは、会長としてふさわしい人物かどうか。NHKの経営に覚悟を持って取り組んで頂けるかというところが最も重要だと思っております」と語った。

後任の井上氏は福岡県出身。1980年に入局し、政治部長や編成局長を経て、NHKと民放が共同出資する放送衛星システム社長などを歴任。2023年から副会長を務めていた。井上氏も会見で「稲葉会長の補佐として3年間取り組んできた経験を十分にいかしてやっていきたい。チームとしてのNHK、総合力で、ひとつひとつの改革よりも課題は極めて明確なので実行にあたってほしいと。そういったことを考えながらやっていきたいと思っております」と意気込みを語った。

また、稲葉会長は今年4月に初期の肺がんであることを公表し、治療にあたりながら仕事を続けていた。会見で今後について問われた際は「何も考えてないです。少しは楽になるんじゃないかと思っております」と語っていた。