米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは22日、第98回アカデミー賞のノミネートを発表し、国際長編映画賞の日本代表の「国宝」(李相日監督)が、メーキャップ・ヘアスタイリング賞でノミネートされた。
同賞は、これまで米国籍を取得したカズ・ヒロ(辻一弘)氏が18、20年と2度、受賞しているが、日本映画としては初めて。受賞すれば、日本国籍を持つ日本人では初となる。授賞式は、3月15日に開催される
メーキャップ・ヘアスタイリング賞は、ヘアメイクの豊川京子氏、歌舞伎メイクの日比野直美氏、歌舞伎床山の西松忠氏がノミネートされた。3氏は「アメリカのアカデミー賞にノミネートされたことは本当に喜ばしい限りです。他作品のヘア&メイキャップがとても素晴らしかったのでノミネートされたことは素晴らしいです」とノミネートを喜んだ。
そして「この映画には欠かせない歌舞伎シーンでの白塗りのメイク、歌舞伎かつらが評価された事を喜ばしく思います。そして50年間の人生の流れの表現も評価して頂けたことがとてもうれしいです。この作品に携われたことを幸せに思います。監督、プロデューサー、全スタッフ、そしてキャストの皆様に感謝致します。ありがとうございました」と感謝した。
李相日監督(51)もコメントを発表。「この映画は、当初の予想を遥かに超えて逞しく育った。その美しさは、アメリカをはじめ世界の人々までを魅了し、我々に大いなる驚きと喜びを与えてくれた。中でもオスカーのノミネートは格別で、最上の喜びだ。なんて親孝行な子なんだろう。生まれてくれてありがとう」と喜びを語った。
メーキャップ・ヘアスタイリング部門のノミネートのために「国宝」ヘアメイクチームは、10日(現地時間)にロサンゼルスで行われたアカデミー協会公式イベント「Bake Off」に参加。「国宝」の50年に渡る人物像の作り方や、歌舞伎の鬘や白塗りの歴史などについて、現地の映画業界に携わる人々に語り、大きな反響を得ていた。
一方、国際長編映画賞は、邦画では役所広司(69)主演の24年「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)以来2年ぶりのノミネート入りに期待がかかったが、逃した。
「国宝」は作家・吉田修一氏(57)の同名小説の映画化作品。主演の吉沢亮(31)が、主人公・立花喜久雄の50年の人生を、少年期を演じた黒川想矢(16)と演じた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜流星(29)と、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢と横浜が、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から1年半にわたって歌舞伎の指導を受けたことも話題を呼んだ。
6月6日の初日から11月24日までの公開172日間で、興行収入(興収)173億7739万4500円、動員1231万1553人を記録。03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(本広克行監督)が22年、守った173億5000万円の実写日本映画興収記録を22年ぶりに更新した。同12月30日までの208日で、興収184億7000万円、動員139万8000円を突破。同28日に発表された日刊スポーツ映画大賞では、作品賞、李相日監督(51)の監督賞、吉沢の主演男優賞、田中泯(80)の助演男優賞、瀧内公美(36)の助演女優賞、黒川の石原裕次郎新人賞と、史上最多の6冠に輝いた。
18日までの227日間で観客動員1370万人、興行収入193億円を突破している。



