ドジャース大谷翔平投手のお面をかぶったモノマネで有名な「ミニタニ」こと、お笑い芸人アキ・テリヤキが18日、日刊スポーツの電話取材に応じ、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)観戦を終えた思いを明かした。【取材・構成=鎌田直秀】
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日本が準々決勝の日本でベネズエラに敗れ、大谷を追い続けてきたミニタニも最大の悔しさを味わった。だが、それ以降も米マイアミに残り、準決勝の米国-ドミニカ共和国戦、ベネズエラが3-2で米国に競り勝ち、初優勝を果たした決勝も生観戦した。
「最強チームの前評判だったアメリカを打ち破り、頂点に立ったベネズエラ。その瞬間、スタジアムの空気を完全にのみ込んでいました。開催国はアメリカなのに、スタジアムの8割を埋め尽くすベネズエラファン。地鳴りのような歓声。『べーネーズゥエラッ ウッ!』。この独特のかけ声やリズムが何度も何度も響きわたり、心臓の鼓動とシンクロしてくる。これはもう応援じゃない。エネルギーそのもの。試合が進むごとに、ベネズエラチームがどんどん強くなっていく姿、ファンと一体になって強くなっていく瞬間を目の前で見ている感覚でした」
前回のWBCでは日本が優勝。最後に大谷が米国のマイク・トラウト外野手から三振を奪って胴上げ投手になった瞬間は、今でも目にも心にも焼きついている。ベネズエラ優勝時には、侍ジャパンの「大谷ユニホーム」姿で、同国の国旗を掲げ、一緒に喜びを分かちあった。
「1球ごとに歓声が爆発し、1打ごとにスタジアムが揺れる。その光景は、まるで前回のWBCで優勝へと駆け上がった日本代表の姿と重なるものがありました。そして試合後、勝敗を越えて両国のファン同士が自然と抱き合い、たたえ合うあの光景。言葉なんていらない。ただ『すごい試合だったな』っていう気持ちが、国も言語も越えて通じ合っていた。スポーツって、本当に世界を1つにするんだなって。歓声も、涙も、誇りも、すべてが混ざり合った、この空間は間違いなく本物の感動でした」
22年から「ミニタニ」として活動を始め、大谷のエンゼルス、ドジャースの全試合、WBC全試合を生観戦してきた。今回のWBCも東京ドームで開催された1次ラウンド日本代表戦4試合、マイアミでの準々決勝ベネズエラ戦ではホームランを放つも最後の打者となった大谷の姿を追い続けてきた。今回も航空券、宿泊費、チケット代で総額は約75万円。だが、お金では買えない貴重な経験を実感している。
「ベネズエラは本当に強かった。メジャーでバリバリやってる選手がそろっていて、一瞬の隙も逃さない。国際大会特有の短期決戦の難しさや1球、1打席で流れが変わるシビアさ。ほんの少しのミスがそのまま結果に出るんだなって、改めて感じました。でも、日本も途中まで試合を制していたし、『あと1本』『あと1球』で流れを完全に持ってこられた場面は何度もあったと思うんです。だからこそ悔しい。ただ、世界一を争う舞台って、わずかな差を取り切ったチームが勝つ。そこが勝負の怖さであり、面白さでもある。9回裏2アウト、最終打席に立つ大谷選手。その姿こそが次の大会への幕開け、そしてまた世界の頂点へとたつ序章だったのだと思います」(後編につづく)
◆アキ・テリヤキ 茨城県出身。米ロサンゼルス在住。モノマネ芸人&ユーチューバーとして活動し、ダルビッシュ有の「ミニビッシュ」、大谷翔平の「ミニタニ」のほか、DA PUMPのISSAの「ChiSSA(ちっさっ)」のモノマネも有名。日米のテレビ出演多数。22年からは大谷の試合をエンゼルス、ドジャース、WBC含めて全試合生観戦中。近年はロサンゼルスでの、すし店経営も順調。身長159センチ、体重54キロ。



