歌手野口五郎さん(70)を3日付の「日曜日のヒーロー」のために“1世紀ぶり”にインタビューした(笑い)。前回のインタビューは五郎さんが著書「芸能人はなぜ老けない」を出版した時。実に27年ぶりにじっくりと話を聞いた。前回は記者も若さと美貌を誇るモテモテの30代。還暦を過ぎ、年齢より若く見えること以外には取り柄がなくなった今となっては、五郎さんの本をしっかり読んでいた自分をほめてあげたい(笑い)。
五郎さんは1971年(昭46)5月に「博多みれん」で演歌歌手としてデビュー。だが売れずに、わずか3カ月後に「青いリンゴ」でアイドル歌手デビュー。アッという間にブレークした。なぜ演歌だったのか、なぜすぐにアイドルだったのか、ということも聞いて、びっくりした。
そして何よりも驚いたのは、25歳から60歳までの35年の長きにわたり、イップスで声が出にくかったことだ。歌手という声を使う商売でありながら、実に人生の半分も声がスムーズに出なかったのだ。歌手野口五郎の哀愁を帯びた歌い出しの陰にはイップスがあったのだ。
実は記者もイップスになったことがある。会社命令でゴルフのレッスン記事のを担当させられていて、仕事絡みでラウンドすることが多々あった。“ごっちゃんゴルフ”の芸能記者とは違う(笑い)。日刊スポーツの看板を背負ってのプレーだ。だからといってうまいわけではない。ドライバーをマン振りして、その飛距離で驚かせた。
カラオケのマイクより重い物を持ったことがない、チャラな記者が調子が良ければ250ヤード、260ヤードのロングドライブを連発。やがて、それが芸として期待されるようになるとプレッシャーがかかって来た。そのうちティーグランドに立ってドライバーを構えると、冷や汗タラタラ、歯ぎしりギリギリで1分間も動けないまま。なんとかドライバーを振ってナイスショットをしても顔面蒼白(そうはく)、ということがあった。イップスというのは上級者がなるものらしいので、周囲は120もたたくイップスにあきれていたと思うが(笑い)。
他にも五郎さんは過呼吸に5年間悩まされた話もしてくれた。そして新御三家として時代をともい築いた、西城秀樹さん、郷ひろみさんとの出会いも、懐かしく振り返ってくれた。
そんな五郎さんの顔に、隠せないほどの笑みが浮かんだのが、娘でプロのピアニスト、アレンジャーとして活躍する文音さん(24)のことだ。親の後を継ぐ2世芸能人は数多いが、文音さんは東京音大卒の文音さんは東京音大でクラシックを学んでいる。五郎さんの名前と、母親の三井ゆりさん似の美貌をもってすれば、デビューまでは簡単だったはすだ。スポーツ紙のバカな芸能記者が「野口五郎と三井ゆりの娘、デビューへ」とすぐに飛び付きそうな話題だ。
昨年、ラジオ出演をした時に取材したのだが、その場に居合わせた関係者は「野口五郎さんは偉い。娘にしっかと音楽教育をした」と感心しきりだった。2人は8月14日の「野口五郎 GORO NOGUCHI CONCERT 2026 A new chapter~新たな章へ~で共演する。NHK交響楽団も一緒だ。
70歳になって、なお新たな音楽を追究する野口五郎さん。それに花を添える娘の文音さんとのステージがが楽しみだ。【小谷野俊哉】



