覚せい剤取締法違反(譲り受け)容疑で逮捕状が出されたタレント小向美奈子容疑者(25)が11日午後1時(日本時間午後2時)、滞在中のフィリピンの首都マニラで、テレビ朝日に直撃取材された。30代とみられる男性が寄り添い、記者の問いには無言を貫いた。小向容疑者は1月21日に査証なしで入国。11日に滞在許可の期限が切れる予定だったが、8日にはフィリピン入国管理局に滞在延長を申請して認められ、3月21日まで滞在が可能になっていることも分かった。

 フィリピンは、日本の犯罪者らが「逃げやすい国」と思いがちな場所でもある。理由は、同国が「賄賂大国」「カネで何とかなる国」といわれている背景がある。現実に、何かあった時、警察や当局職員らに対し一定のカネをチップとして渡せば、不法滞在を含め、見逃すケースもある。

 とはいえ、逃亡し続けるには、マニラなどの現地語タガログ語が話せないと現実的には困難で、当事者は現地在住の日本人の手引きで生活を送るしかない。しかも、小向容疑者のような著名人は、通常の何倍ものカネを要求される可能性があり、逃げ続けるには相当な資金力が必要になる。

 賄賂で動く人たちは、カネがなくなった相手には冷たく、すぐ当局に密告する。一時的には逃げやすくても、「カネが尽きたら終わり」なのだ。ただ、現地で偽造パスポートを作って、近隣国に逃げる手口もある。(フィリピン事情に詳しいライター出町柳次氏)

 [2011年2月12日7時25分

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