元フジテレビで現在はフリーの千野志麻アナウンサー(35)が3日、前日2日に静岡県沼津市にあるシティーホテルの駐車場で男性を乗用車ではね、死亡させた件について、ホームページで謝罪した。静岡県警沼津署によると、千野アナは事故当時、夫と子供を乗せて運転中で、右折した際にぶつかって地面に倒れた男性の体にそのまま車で乗り上げてしまったという。沼津署は自動車運転過失致死容疑で書類送検する方針だ。

 千野アナは3日、ホームページで過失を認めた上で謝罪した。「自らの過失により人身事故を起こしてしまいました。人の命を奪うという取り返しのつかない事態に言葉に尽くせぬ思いでいっぱいですが、まずはお亡くなりになられた方と、そのご遺族の皆さまには心より深くおわび申し上げます」とつづった。さらに「ご遺族の皆さまには誠心誠意おわびの気持ちの限りを尽くしてまいります」としている。

 事故から一夜明けたこの日、事故の詳しい状況が判明した。沼津署の調べなどによると、千野アナは元日に夫と子供3人と沼津市内にある実家に帰省し、そのまま家族と一緒にシティーホテルに宿泊した。ホテルは東名高速道沼津インター料金所から約200メートルの距離にあり、実家とも数キロしか離れていない。

 2日午後5時すぎ、ホテルの駐車場から自家用の外国車を自分が運転して発進させた。車には夫と子供が同乗していた。子供が何人乗っていたかは不明。車はホテル玄関脇の駐車スペースを出て数十メートル直進後、出口に向かうため右折した。その時、駐車場内を歩いていた長野県の荻原俊文さん(38=職業不詳)に気付かず、車体側面ではねたとみられる。接触で地面に倒れた荻原さんの体に右折の勢いで車を乗り上げてしまったという。

 千野アナは事故直後、自分で「事故を起こしてしまった」と110番通報。荻原さんは近くの病院に運ばれたが午後9時45分ごろ、胸部圧迫などで死亡した。

 駐車場は約60台が収容できるほど広く明かりもあるが、事故当時は日没から20分が過ぎて薄暗かった。不運が重なった事故とはいえ、同署では不注意が原因とみて調べており、必要な注意を怠って運転して人を死傷させた場合などに適用される自動車運転過失致死容疑で書類送検する方針だ。

 千野アナは11年に車雑誌の取材に「運転が大好き」と話していた。26歳で初めて車を購入し、休日には愛車を飛ばして沼津に行くことも明かしていた。家族を同乗させ、帰省先で起こしてしまった悲劇。事故直後、憔悴(しょうすい)した様子で調べに応じていたという。所属事務所関係者によると「取り返しのつかないことをしてしまった」と繰り返し話しているという。

 ◆千野志麻(ちの・しお)本名・横手志麻。1977年(昭52)8月9日、静岡県沼津市生まれ。聖心女子大卒業後、00年フジテレビ入社。同年10月からトーク番組「チノパン」の司会に。05年12月に同局退社してフリーに。06年に故福田赳夫元首相の孫で外資系証券会社勤務の男性と結婚。08年に双子の男児、09年に女児を出産。父は沼津市議会議員。167センチ、血液型AB。