種牡馬2年目のマカヒキ(牡11)が親子3代ダービー制覇へ夢をつなぐ。今年は初年度産駒が続々と誕生。7月のセレクトセールでは上場した唯一の産駒が1億5000万円(税抜き)で落札されるなど評判も高い。今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、太田尚樹記者が北海道新ひだか町のレックススタッドを訪れて近況を取材。そのポテンシャルを探った。
9歳までターフを駆けた不屈のダービー馬マカヒキは、今なお輝きと気品をまとっていた。顔つきも若々しく、愛らしささえ感じるほどだ。レックススタッドの岡崎大輝氏は「おとなしくて扱いやすく、体も丈夫で病気も全然ないです。種付けも上手。変な動きをしないので、けがのリスクも少ないと思います」と賛辞を並べる。まさに文句なしの資質だろう。
大化けの予感が漂う。昨年に10歳の“オールドルーキー”として種牡馬の仕事に就いた。種付け料は50万円。ちなみに同期サトノダイヤモンドは150万円、1歳下のダービー馬レイデオロは500万円だ。決して鳴り物入りではなかったが、初年度は104頭と交配した。種付け数が減りがちな2年目も約70頭と奮闘。今年生まれた初年度産駒は、7月のセレクトセールにおいて1億5000万円で落札されるなど好評だ。
「いいビックリでした。100頭を超えるとは…。ディープインパクト産駒のわりに馬格がしっかりしていて、それが当歳(の産駒)にも出ています。1歳になったらもっと良くなりそうなので、期待できるのでは」(岡崎氏)
名門厩舎の土台を築いた功労馬でもあり、ただならぬポテンシャルを秘めている。今から10年前の夏。初対面の1歳馬が放つ威圧感とオーラに、友道師は衝撃を受けたという。「マカヒキを基準に、今の厩舎がある。あの馬を物差しにして(管理馬を)測っている感じ。シルエットがきれいで品があった。性格も良かったし、子供が受け継いでくれれば」と後継者の登場を心待ちにしている。
夢はその父ディープから続く親子3代での頂点到達だ。岡崎氏は「きょうだいはダートでも走っていますし、芝もダートも走れれば種牡馬としての幅も広がるのでは。一番の理想はダービーを勝つことです」と思いをはせる。その潜在能力をもってすれば、実現も不可能ではないはずだ。産駒のデビューは再来年から。大きなインパクトを与えてもらいたい。
◆マカヒキ 2013年1月28日、ノーザンファーム(北海道安平町)生産。父ディープインパクト、母ウィキウィキ。牡、鹿毛。馬主は金子真人ホールディングス(株)。16年にダービーを制し、凱旋門賞にも挑戦(14着)。歴代ダービー馬で最長の9歳まで現役を続け22年に引退。通算成績は28戦6勝(うち海外2戦1勝)。重賞は16年弥生賞、日本ダービー、ニエル賞、21年京都大賞典の4勝。
◆マカヒキと同世代の種牡馬成績 菊花賞馬サトノダイヤモンドの産駒からはG2・2勝サトノグランツ、阪神JF2着シンリョクカが出ている。皐月賞馬ディーマジェスティ産駒ではドットクルーが毎日杯3着、ユキノロイヤルがニュージーランドT3着。
(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)





