3位から勝ち上がった阪神のCSファーストステージは、初戦も、3戦目も1点差勝ちだった。

桧山 阪神がCSで勝ち越せたのは、それぞれが自分の役割を果たしたからです。それがチームの勝ちにつながった。もともと下位から上がってきた身で、開き直って戦えたという心理的なところも優位に働きました。

8回1死から高山が死球で出塁すると、代走植田が二盗を決め、梅野の中犠飛で勝ち越した。

桧山 植田が初球に二塁を陥れたのは大きかったです。それもベンチにでていく前から代走に出たときを想定して準備をしていたからです。エスコバーの暴投で三進後、梅野の打撃からはコンパクトに打とうという気持ちが乗り移っていた。それがセンターへの犠飛になった。

その梅野は7回、北條の失策で同点に追いつかれた後の2死満塁、代打佐野の場面で、ドリスの手前でバウンドする投球に体を張って受け止めながら、失点を許さなかった。

桧山 梅野が佐野の2球目のバウンドした球を止めたのは見過ごせない。ファインプレーです。岩崎は限界だったから仕方がないが、それに代わったドリスが抑えた。つまりそれぞれがグッドジョブをしたということがいえるでしょう。

高橋遥から5人を投入し、最後は藤川が2イニングを封じた。阪神は3試合で、のべ18人のピッチャーをつぎ込んだ。ジョンソン不在を全員でカバーした形だった。

桧山 チームは下からはい上がってきたことで自信になったし、実際に成長しています。巨人戦でも投手力を中心にチャレンジャーとして戦い抜いてほしいです。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】