おかやま山陽が春夏通算3度目の甲子園で悲願の初勝利を飾った。代打の焔硝岩(えんしょういわ)央輔捕手(3年)が打線に火を付けた。

2点ビハインドの4回。先頭の代打で、1ボールからの直球を左前へ運んだ。「ストレートを打つことに強い自信がある。思い切っていきました」。試合前にテニスボールを3つ立てるトレーニングで集中力を高め、3得点の口火を切り、逆転に成功。岡山大会では4打席無安打。今夏初安打に「甲子園では自分の一打で流れを持ってこれたらと思っていた。打てて良かった」と喜んだ。

珍名にも注目された。「名字由来net」によると全国で約60人ほどしかいない名字。「注目してもらえてうれしいし、モチベーションが上がった」と前向き。「焔硝」は火薬を意味する言葉でもあり、まさに打線に火を付けた形だ。

堤尚彦監督(52)が野球道具を海外に譲る活動の記事を祖母が発見。小学6年だった当時から堤監督の下で野球がしたいと強く決意し、同校進学を見据えて中学のチームも自ら探した。正捕手こそ奪えなかったが、代打の切り札として最後の夏を迎えた。

17安打9得点の快勝で、学校創立100周年の年に花を添えた。甲子園初勝利に堤監督も「卒業生みんなが楽しみにしていたので、うれしい」と笑顔。焔硝岩についても「名前も珍しいし、何かを持っている。ラッキーボーイみたいになっていますね」と不思議な力を感じている。目標の甲子園3勝へ、おかやま山陽のチャッカマンが勢いづけた。【林亮佑】

◆甲子園の珍名 古くは40年夏準優勝の一言(ひとこと=島田商)、65年夏準優勝の阿天坊(あてんぼう=銚子商)らが珍しい。相撲のしこ名のようなケースは、88年に雲宝(うんぽう=愛工大名電)、04年に宝珠山(ほうじゅやま=尽誠学園)が登場。選手以外では柳ケ浦と明豊を導いた大悟法(だいごぼう)監督がいた。昭和時代の審判には西大立目(にしおおたちめ)、達摩(だるま)といった名前が見られる。

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