ピッチの悔しさは、マウンドで晴らす。巨人ドラフト1位堀田賢慎投手(18=青森山田)が13日、川崎市内のジャイアンツ球場で新人合同自主トレに参加後、全国高校選手権で連覇を逃した同校サッカー部への思いを口にした。

常に刺激し合う仲だったという、野球部とサッカー部。「去年全国優勝して、高円宮杯も取って、すごいプレッシャーがある中で戦っていた。日々の努力があってのことだと思う」。高校サッカー界の絶対王者として、君臨し続けてきた仲間たちの姿を近くで見てきた。

後半26分に途中出場を果たした背番号13の得能は、クラスメート。前日12日にはエールを送ったというが、同時に「向こうも、僕の今の状況を気に掛けてくれて」と力ももらった。自身は日本一とは縁がなかったが、今は「球界の盟主」と呼ばれる伝統チームの一員。「僕は日本一を経験したことがないので、いつかはそういう場所を味わってみたい」。大舞台で活躍した友の姿を励みに、絶対王者としてのメンタリティーを体に刻んでいく。

そんなチームを看板選手としてけん引してきた阿部2軍監督とは、練習前に顔を合わせた。「グラウンドに降りた瞬間、阿部さんがいらっしゃるとすぐ分かって。オーラがすごかったですね。あいさつだけでしたけど、緊張しました」。50メートル以上離れていても、一流が放つ雰囲気は体中に伝わってきた。青森山田魂を引っさげ、「GIANTS PRIDE」が似合う男へと成長する。【栗田尚樹】